「引き出す会」を開始しました。ALL REVIEWS友の会の「執筆研究部」内の勉強会です。テキストは『感情を引き出す小説の技巧 読者と登場人物を結びつける執筆術』(*)です。
(*)(フィルムアート社)、ドナルド・マース (著), 佐藤弥生 (翻訳), 茂木靖枝 (翻訳)
昨年は『文体の舵をとれ』をやったのですが、練習問題は今回のもののほうがずっと高度です。実際に小説を書いている人向けらしいです。私のような「読むだけ」の人には無理なのですが、持ち前のずうずうしさで参加しています。1回めの演習の題材に『トニオ・クレーゲル』を使うという暴挙をあえて行いました。いろいろ「書き直し(!)」をしてみた結果、やはりトーマス・マンは偉大だと納得しました。今回トーマス・マンの偉大さの理由が少しだけ分かり、喜んでいます。
ドナルド・マースはエライ編集者なのです。そして、最近読んだ『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』を思わせて感慨深いです。
『感情を引き出す小説の技巧 読者と登場人物を結びつける執筆術』は、編集者がいかにして小説家に「書き直し」をさせるかを具体的に語っているので読むだけでもとてもおもしろい。