「転回点ーマン家の人々」を午前中で読了。3日かかったが、今の私としては速いペース。
クラウス・マンは、再度訪れた米国で反ナチ活動を文学活動と融合させて精力的に行う。「魔法使い」もヨゼフ小説で米国の「偉大さ」を讃える。またファウストゥス小説で、独裁帝国の崩壊を予言する。
クラウス・マンはついに参戦を決意。米国市民権を手に入れ、陸軍兵士として、今までの贅沢な航海とは似ても似つかない、船底すし詰めで海をわたり欧州戦線へ向かった。
ナチスドイツの崩壊を現地で確かめた。ミュンヘンの懐かしい家はなんと、「生命の家」(狂ったゲルマン優生思想の象徴的施設)として使用されていたと聞いた。
ナチスの敗北。日本も降伏。
クラウス・マンは現地で除隊し、ふたたび文学活動を再開しようとした。しかし1949年5月に睡眠薬自殺(と伝えられる)をとげる。
残された「老魔術師」トーマス・マンは、亡命生活がクラウス・マンを成長させたと言った。しかし、その亡命生活がクラウス・マンを疲弊させ、真の世界平和への夢のために、この世界を捨てさせたような気がする。
われわれもこの国やこの世界から亡命しなくて済むように努めなくてはならない。
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