2018年7月11日水曜日

タイプライター好きだけど持っていない(T_T)



 「サリンジャーと過ごした日々」(ジョアンナ・ラコフ 井上里訳 2015年 柏書房)を、あっという間に読み終えた。佳品。

 著者はエージェンシーのアシスタントでサリンジャーを一年担当。その間にサリンジャーの「ハプワース」が出版されかかる。著者本人の詩ははじめてある雑誌に採用される。

 サリンジャーへのファンレターはすべて、彼女が処理する。ほぼそっけない定型文の返事を出すが、たまにラコフ自身が返信の内容を書く場合もある。しかし100%サリンジャーには届けられない。ラコフもサリンジャーと電話では話すが、実際に面と向かって会ったのは一回だけ。

 そもそも著者はこの会社に入るまで、サリンジャーを読んでいなかった!

 このエージェンシーでは20世紀も終わろうとしているのに、手紙はタイプライターで作成していた。ディクタフォン(足で操作できるテープレコーダー)を使って、上司は彼女に口述筆記(タイプ)させる。まるで1950年台のような古いタイプのオフィス。
 ラコフの在任(一年間だけだ)中にパソコン(使用は管理者の許可制、私用メール禁止!)が一台だけフロアに設置される。サリンジャーはもちろんタイプライターで執筆する。二本指。

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 オースターの「わがタイプライター物語」を予約しておいたのは正解だったかも知れない。そして、この記事もMacで書いてはいるが、タイプ音を出すようにセットしてある(*^^*)

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