漱石の「文学論」を読みたいと思ったが、その目的は、漱石自身が生涯の仕事として「英文学」を選んだ理由を知りたいからだ。本人は留学まえから、本当に「英文学」でいいのか悩んだらしい。悩みつつもそれを、大学で教えなければならない、留学中に突き詰めて考え、そしてある覚悟を持って、文学以外の、心理学や社会学も含めた多様な本を買い込んで遮二無二学んだ。そこには苦しさとともに、ある種の開放感、高揚感もあったと思う。それも含めて理解したい。
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「文学論」をよく読めばわかるかとも、思ったが、それだけでは足りない気がしてきた。そこで、当時、どんな本を読んで、どんな感想を持ったのかを調べたくなった。
これは、誰しもおもったことらしく、最初の全集から、蔵書への書き込みが、収録されている。これを全集を買った時に知っていたはずだが、今回、思い出せなかった。なので、図書館を調べて、1990年代の全集の該当巻を借りる手続きをしてしまった。自分の持っている全集を掘り出せばいいのだが、手抜かりだった。
まあ、調べたら増補改訂されているらしいので、よしとしたい。もちろん、「発掘」も明日行う。
なお、「東北大学附属図書館では、夏目漱石の旧蔵書および自筆資料からなる「漱石文庫」を所蔵しています」ということなので、蔵書の全体については、ここを参照したい。場合によっては、実際に見せてもらいに行きたい。
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『ふたつのオリンピック』は300ページの手前まで、読んだ。そろそろ日本を一時脱出し、『菊とバット』を書き始めるところまでやってきた。それ以前にブリタニカ百科事典をセールスした話とか、ヤクザと付き合った話が面白い。彼なりの日本裏面史。
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