『真実 パトリシア・ニール自伝』、最後は一瀉千里に読み終えた。
脳内の動脈瘤破裂で、大きなダメージを負ったパトリシア。命こそとりとめたが、右半身不随、記憶も失ってしまった。ダールは、医者の勧める以上に、急速で強引とも言えるやり方で、リハビリテーションを行わせる。このやり方はその後の、同様な患者にも取り入れられるような方法だった。(私の家族が病気のときには、医者が倒れてすぐつまり数時間後の患者に、リハビリを命じてびっくりしたが、これはダールの考え出したことに影響されているのかもしれない。)
ただし、パトリシアの場合は、精神的にもダメージを受けていたので、ダールはそこをケアしてくれる専属の「看護人」を雇った。これが、パトリシアの回復に大きな助けとなった。
右半身の麻痺の回復だけでなく、言葉も含めてほとんどの記憶を失ったので、生まれてすぐの子どもが成長しながら経験するようなことを、パトリシアは周囲の助けを借りて、すこしずつ行っていく。うまくいかないと、苛立って、怒鳴り散らし、泣き出す。
何年もかけて、彼女は再び演劇と銀幕の世界に復帰する。この強靭な精神力には感心した。
ふたたび、栄光を取り戻したように見えたが、ダールとはその後、離婚してしまう。お互いに疲れてしまったのだろう。ダールは別の女性と一緒になる。
苦しみの中で、あるホテルで、パトリシアが出会ったのが、ゲーリー・クーパーの娘だ。彼女と和解し、彼女に紹介された修道院に通ううちに、カトリックに入信する。その後、ゲーリー・クーパーの未亡人とも再会。
***
読んで面白いだけでなく、このような重篤な病気からの回復の記録としての価値が高い作品だ。身近にこのような病人がいる場合の参考として役に立つ。
***
珍しく、雨の降らない一日だった。外猫くんも薄い日光のひだまりでのんびり甲羅干しをしていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿