2019年8月3日土曜日

『シートン自叙伝』は本好きと動物好きと日記好きを泣かせる本だ

『シートン自叙伝 シートン動物記別巻』(アーネスト・T・シートン 藤原英司訳 1974年 集英社)を半分がた読む。子供のころ読んでいた「シートン動物記」は内山賢次訳だった。これは、どうも火事で焼けてしまったようだ。今はなかなか手に入らない。内山訳の『りす物語』は国会図書館オンラインで読める。
今回は、シートン自身のことを知りたくて自叙伝を読んでいる。



1860年イギリス生まれだが、父の破産でカナダに移住。きびしい自然の中で育つ。自然が先生だったようだ。野生生物の記録としての絵を書き、才能を親にも認められる。厳しい父親は、彼の病身も考え、画家になることをすすめ、英国にも留学させる。学費はほとんど出していない、どころか成人したあと、育成にかかった費用500ドルを彼に請求した!
本人は絵はもちろん好きだが、当時の博物学つまり野生動物の生態の研究をやりたい。その勉強も父にかくれてやっていた。英国留学時に大英博物館で、博物学の蔵書200万冊を読む許可が、若年のため規則で、出なかった。館長だけでなく、プリンス・オブ・ウェールズにも嘆願書を出して、ついに特別入館証を手に入れる。このときの嬉しさが書かれているが、泣かせる。この一節だけで、大部のこの本を読んだ価値があるというものだ。
その後も波瀾万丈の生活が続く。20代後半に「日記」を毎日書くようになった。内容はもちろん自然観察の記録が主だ。後の著作の源泉として役立つのだが、それよりも日記をつけることで、「書くこと(描くこと)」の純粋なよろこびを知ったとしてある。日記は年寄りになるまで続いたようだ。さすがだ。ここも泣かせる。

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月刊ALL REVIEWSでの鹿島さんと原さんのバンド・デシネの話の文字起こしも続けた。やってみると、聞いたときには理解できなかったことが、頭に入ってきて楽しさを覚える。やりがいのある作業だ。

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暑いが、また図書館で4冊借りてきた(*^^*)


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