2019年10月19日土曜日

ALL REVIEWS 友の会イベント「アニエス・ポワリエ × 鹿島 茂 スペシャルトーク」、本日開催

表題に全く関係ないが、町内自治会の子供向けイベントのチラシ用に、「えんとつ町のプペル」を題材とした絵を作った。貼り絵風にしてみた。
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泥縄で、関連書籍(だと思った)『パリスケッチブック』をほぼ最後まで読んだ。ロナルド・サールの絵は素晴らしい。アーウィン・ショーの文章は、最初は、つまりパリ開放の日の本人の体験に基づく第一章は、読ませる。ところが、それ以降はパリ観光案内みたいで、あまり面白くない。原稿料儲けのためだけの文章ではないのかと邪推したくなる。面白く読ませるために飾り過ぎの文章になっている。

ともかく、あとになっても読むべき本と思われる『パリ左岸…』を図書館にリクエストしてから、電車に乗る。

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一番右は素晴らしい通訳のKさん


18時から「スペシャルトーク」が始まった。読んでいない私でもついていける話の内容だった。おもしろかった。ただし、第三勢力(資本主義でも共産主義でもない第三の道)が、その後形を変えて5月革命とそれ以降の改革につながっていくのではないかという質問は、ポワリエさんにはうまく伝わらなかったようだ。自分でもっと考えてみたい。日本の事情、冷戦集結までは、自民党の政策は意外に社会民主主義的だったが、冷戦後は金持ち優遇政策に変わり、そのなかで第三勢力は力を失う…という鹿島先生の説は、一理あると思った。

別の方の質問で、原著は英語で書かれているが、その理由はディレッタントの観点で記述したかったからということもわかった。

英仏両方で文筆活動をするポワリエさんに、フランスと英国の書評の違いを尋ねた方がおられた。答えは英語の書評にはエンターテインメント性が求められるという、予想外のもの。
(後記:この時、書評記事にジャンルの違うことをまぜないようにしているとおっしゃっていた。そして、『パリ左岸…』はエッセイだとも。すると、第一の質問の答えにもなっている。ポリティカルなことはこの本の対象外。少し異論はあるが、大筋では納得。)

書評だけでなく、文章全般にそれは言えるのかも知れないと思った。アーウィン・ショーの文章の通俗性は、ここに起因しているのかも知れないとも思った。「面白く」ないと、英国やアメリカでは売れないのだろう。

ポワリエさんは、ノートルダム大聖堂に関する次の本をすでに脱稿。その次には1900年前後のことを書くが、ジャポニズムのことも含まれるそうだ。これらは楽しみ。


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