2020年4月17日金曜日

40年前の百科事典で遊べるのも蟄居のおかげだ





昨日に続き、『万有百科大事典』を使って遊んだ。先日、月刊ALL REVIEWSで「論語」対話を現地で聴いた時、鹿島先生と出口先生が澁澤榮一の経済面の思想に影響を与えたとおっしゃっていた、空想社会主義者サン・シモンのことを調べてみた。

まずは『(総合)索引』で、「サン=シモン」を捜す。この百科事典の索引は人名の場合、かんたんな説明がある。ここでは
フランス 1760-1825 空想的社会主義者。産業者と科学者の支配する新社会建設を唱えた。

としてある。
簡便な人名事典になっているわけだ。そのあとに、ジャンル別に用意されているどの巻のどの頁にサン=シモンの見出し項目があるかが書いてある。ここでは4巻(哲学宗教巻)218頁、9巻(世界史巻)252頁。などとなっている。

他に参照すべき項目、「空想的社会主義」に関し、12巻(経済産業巻)241頁、と11巻(政治社会巻)「社会主義」の項目内の図版を参照しろと指示がある。



これら小項目と大項目を丁寧にみて行くとサン=シモンについての立体的な知識が得られる。これはなかなかうまい工夫といえる。



実は、この『万有百科大事典』の前に、平凡社の『国民百科事典』が家にはあった。少年時代には、これを暇に任せて読んでいたものだ。本当は『世界大百科事典』にあこがれたが、読むという目的のためには全7巻の『国民百科事典』のほうが良かったのだろう。

『万有百科大辞典』は『国民百科事典』が火事で焼けてしまったので、父が買い直したらしい。私は大学や就職で家を離れたのであまり読まなかった。今回始めてじっくり目を通したというわけだ。新しい(!?)ものは改善されている、索引がその最たるものだ。この『総合索引』を作るにあたっては、百科事典としてははじめて本格的に電子計算機の助けを借りているという裏話が、索引巻のあとがきに書いてある。



せっかくなので、この索引の内容がデジタルで手に入ると便利だが、まだ見つけていない。ないのかもしれない。

現代の百科事典はもちろん、全部デジタル化されており、画面上で簡単に上記のようなことが出来る。



しかし、この写真のように、何巻も広げて並べて読み比べる方が、理解が深くすすむような気もする。記憶力が衰えた老人の戯言だろうが。

***

ところで、

コロナ禍のなかで皆が恐れているのは、罹患や経済の停滞だけでなく、これからの世界の様相がまったく変化してしまい、自分だけが取り残されてしまうかもしれないということではないのか。未来を予想するにはSFを読むのが最適だと思うが。

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