『幸田文全集 〈第一巻〉』をほとんど読む。8月3日にARに掲載された森まゆみさんの書評で知った本だ。露伴はもちろん、幸田文も断片的には読んでいたが、露伴の、(全盛期に比べるとだが、恵まれず)やや寂しい晩年のことは、小林勇の『蝸牛庵訪問記』で、「外側」から知った。それを幸田文が「内側」から、看取りをした家族として書いている。幸田文の直接読者に刃を突きつけるような文章で、しかも肉親の悲しみを生で書かれると、読むのはつらい。特に年寄にとっては非常につらい。しかし、幸田文の文章からは、どうしても目を離せない。
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森まゆみさんの素晴らしい書評は他にもたくさんARに掲載されている。これらのリストを眺めると、彼女の読書嗜好と私のそれとは相当似通っていると思われる。もちろん、必ずしも好きな本だけを書評しているとは限らないが、それにしても、である。そこで未読のものは読んでみることになる。
彼女の著書もたくさんある。これらも面白そう。
このへんの事を明日執筆予定のメルマガ巻頭言にまとめたい。
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こんな事を考えていたら、Twitterで森まゆみさんが、須賀敦子の『トリエステの坂道』に関するご自分の書評のことを書かれているのを発見。つい、とりとめないことを返信してしまったが、迷惑がらずに丁寧なご返信を頂いた。これは家宝にしておこう。
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