2020年9月12日土曜日

老年になると日記は簡潔になる(例:鷗外)、が、そうでない人も(荷風)

朝読書。

『鷗外選集』21巻のなかの大正7年11月から12月の日記を読む。11月は「寧都訪古録」、巻末の小堀桂一郎の解説によれば、「委蛇録」中唯一、蒼古の飛鳥仏の頬の一部のような淡い色彩感が残ったところ。解説では、共に「奈良五十首」も読むようにとのこと。帰京した鷗外は疲れたのか12月を病褥中に過ごす。

『「斷腸亭」の経済学』を読む。吉野俊彦が川本三郎の江戸・下町視点とはまったく別の、経済学的視点から「日乗」を読み解くのが面白い。世界大戦後の「バブル」景気とその後の大不況を、荷風はうまく乗り切って父の遺産を保全・運用したが、その才覚は銀行員時代に修行したからか。

大正7年11月には父から受け継いだ家を売っている。弐萬参阡圓。

大正7年から10年にかけて、春陽堂が「荷風全集」(全五巻)を刊行。大正10年8月11日の日記によると第五巻の印税は963圓。春陽堂は大正15年から第二次の「荷風全集」(全六巻)を出版した。


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家政夫の仕事を頼まれた(身内からだけど)。10時半頃三軒茶屋に向かう。電車は空いている鈍行に乗ることにした。途中読む本を用意していった。小堀杏奴の『晩年の父』(岩波文庫)。この本は1981年に出た版で、名古屋に当時いたので名古屋駅前の書店で買って読みながら新幹線で東京に出張したと思われる。内容は綺麗に忘れていたが、今回読み直すと面白い。鷗外は子供に甘く、捜し物や片付けを子供に代わってやってあげたらしい。その作業を非常に綿密に行い、しかも楽しそうにやる。これは、なかなか出来ないことだ。

今日はにわかやもめの息子のアパートの掃除をしに行ったのだが、洗面所と風呂場を気合をいれてやったら、ピカピカになったが、疲れて、二人でラーメンを食べに行ってしまった。おいしかった。戻って、台所のガスレンジと流しをなるべく綿密に掃除したが、、楽しそうには出来なかった。残りはまた後にする。

せっかくなので世田谷区立図書館の窓口カウンターに行き、利用者登録をした。目的は『トーマス・マン日記』。さっそく1946年から1948年のをインターネット予約した。通知が来たら、また家政夫作業をやりに行く。

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