朝、『トーマス・マン日記 1946年-1948年』の続きを読む。
1948年3月22日。
『ガラス玉演戯』と『ファウストゥス博士』の共通性とは?
1948年3月23日。
『掟(邦題 十誡)』の日本語訳があるのを知る。左手の治療を中止する。
1948年3月24日。
左手も使ってヒゲ剃り。
1948年3月31日。
手術後メーディ(娘)からプレゼントされた日記帳がいっぱいになった。22ヶ月使ったことになる。
1948年4月1日。
チューリヒで買った新しい日記帳を使い始める。『ミーメシス』を読む。『選ばれし人』の6章と7章の参考にした。ところで6章と7章とはどこのことだろう。要調査。
1948年4月7日。
エーリカ手術を受ける。
1948年4月8日。
同退院。
1948年4月22日。
このころ毎晩レコードを聴いている。この日は『ラインの黄金』のラスト。
1948年5月9日。
『ファウストゥス博士の成立』を書き始める。内面からの取り組み開始。一方、『選ばれし人』執筆は順調に進む。
1948年5月10日。
『失われた地平線』を観る。
1948年5月28日。
湿疹ができる。胸にも。
1948年6月6日。
73歳の誕生日。
1948年6月14日。
Kもエーリカも病気。トーマス・マンはマニキュアとヒゲ剃り。日記によく、足の手入れやマニキュアと書いてあり、そんな事するのかと思っていたが、自分も年をとってみると、必要性がわかる。そうしないとかなりみっともないことになる。
1948年6月18日。
執事フェーリクスは飲酒、奥さんが一人で仕事している。
1948年6月19日。
『ファウストゥス博士』時代の日記で仕事すると書いてある。『ファウストゥス博士の成立』を書いているのだろう。翌日の日記には、その頃の日記に赤インクでマークを付けながら読み直すとある。また、6月26日の日記には、当時の日記を抜粋して現代化するとある。
1948年6月28日。
フェーリクスが金を盗んだとある。もうかばいきれない。
***
午前中をかけて、読みかけの本を2冊、読み終えた。
*
森茉莉の『父の帽子』の138頁。映画を観て現実逃避している。そして人生も映画のようだと……
「夢」のなかの黒猫が印象的。
171頁。「おまりはイルミネエションが好きだなあ」と父鴎外。
194頁。「深く究めれば、その思想に偏することはない。」と思想の統制をいさめる鴎外。
森茉莉の文章は非常に気に入ったので、他の著書も読んでみる。
*
星新一『祖父・小金井良精の記』。
432頁。大正10年に現役退官後、余生を研究に捧げる。
434頁。昭和14年3月15日。めまいを覚える。大事を取って一週間休む。若いときから、このような「無理をしない」やり方で弱い体をいたわって、結局長生きする。
昭和19年9月16日。大往生。
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