2020年9月25日金曜日

雨降りの日は読書がはかどる

朝、『トーマス・マン日記 1946年-1948年』の続きを読む。

1948年3月22日。
『ガラス玉演戯』と『ファウストゥス博士』の共通性とは?

1948年3月23日。
『掟(邦題 十誡)』の日本語訳があるのを知る。左手の治療を中止する。

1948年3月24日。
左手も使ってヒゲ剃り。

1948年3月31日。
手術後メーディ(娘)からプレゼントされた日記帳がいっぱいになった。22ヶ月使ったことになる。

1948年4月1日。
チューリヒで買った新しい日記帳を使い始める。『ミーメシス』を読む。『選ばれし人』の6章と7章の参考にした。ところで6章と7章とはどこのことだろう。要調査。

1948年4月7日。
エーリカ手術を受ける。

1948年4月8日。
同退院。

1948年4月22日。
このころ毎晩レコードを聴いている。この日は『ラインの黄金』のラスト。

1948年5月9日。
『ファウストゥス博士の成立』を書き始める。内面からの取り組み開始。一方、『選ばれし人』執筆は順調に進む。

1948年5月10日。
『失われた地平線』を観る。

1948年5月28日。
湿疹ができる。胸にも。

1948年6月6日。
73歳の誕生日。

1948年6月14日。
Kもエーリカも病気。トーマス・マンはマニキュアとヒゲ剃り。日記によく、足の手入れやマニキュアと書いてあり、そんな事するのかと思っていたが、自分も年をとってみると、必要性がわかる。そうしないとかなりみっともないことになる。

1948年6月18日。

執事フェーリクスは飲酒、奥さんが一人で仕事している。

1948年6月19日。

『ファウストゥス博士』時代の日記で仕事すると書いてある。『ファウストゥス博士の成立』を書いているのだろう。翌日の日記には、その頃の日記に赤インクでマークを付けながら読み直すとある。また、6月26日の日記には、当時の日記を抜粋して現代化するとある。

1948年6月28日。
フェーリクスが金を盗んだとある。もうかばいきれない。

***

午前中をかけて、読みかけの本を2冊、読み終えた。

森茉莉の『父の帽子』の138頁。映画を観て現実逃避している。そして人生も映画のようだと……

「夢」のなかの黒猫が印象的。

171頁。「おまりはイルミネエションが好きだなあ」と父鴎外。

194頁。「深く究めれば、その思想に偏することはない。」と思想の統制をいさめる鴎外。

森茉莉の文章は非常に気に入ったので、他の著書も読んでみる。

星新一『祖父・小金井良精の記』。

432頁。大正10年に現役退官後、余生を研究に捧げる。

434頁。昭和14年3月15日。めまいを覚える。大事を取って一週間休む。若いときから、このような「無理をしない」やり方で弱い体をいたわって、結局長生きする。

昭和19年9月16日。大往生。



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