2020年12月23日水曜日

クリスマス・ツリーをやっと飾れた

『トーマス・マン日記』を、やや涙目になりながら読み続ける。

「老い」がもうあからさまに見えてきた(;_;) 6月に79歳の誕生日を迎えるトーマス・マン。自作のアイデアがあるのに、書く気力が湧いてこない。この健康状態では無理もない。アイデアを引き受けて、調査し、下書きをする人がいればよかったのかもしれないが、戦後のこの時期では無理か。そして残された時間はあと一年(;_;)


1954年5月16日、キルヒベルク。
取りかかる仕事がないのは不快。

5月18日。
もう一度東ドイツの人たち。全12巻全集、『クルル』の特別版、ベルマンのこれに対する関係。そこから重要な収益。終りに今年の誕生日に100,000東独マルクの東独国民賞の問題。

5月19日。
心地よい空間の蔵書室で、ルターや16世紀に関する、私の小さな書籍コレクションと取り組む。

# ルターの理想ともたらされた抑圧……を書きたかったか?

5月20日。
家の大披露パーティー。

5月21日。
『クルル』の校正刷りに続々目を通す。

5月22日。
エーリカと相談し東ドイツ国民賞を断る。

5月23日。
咳が止まず、コデインを服用。神経に対する効き目はひじょうに快い。ただし便秘は我慢しなければならない。

5月25日。
「タイム・マガジン」担当者から写真。私はひじょうに年老い、疲れて見える。

エーリカは喫煙(1日60本)と睡眠剤を止めれば健康になると、医者は説明している。私も……。

5月28日。
ぐっすり眠る。自分の状態に対する不満が増大、企画、力を入れることのできる課題への欲求。

5月31日。
オペル「カピテーン」車をフィアット下取りを引いて、約12,000スイス・フランで購入(を考える)。

6月4日。
お祝い。何のために? 私には残りの人生が不安だ。結末に迫力がなくぞんざいな『クルル』本については、面目を失う作用をするのではないかと怖れ、またどのようになお新しい作品にとりかかれるのかわからない。ルター、フッテン、エラスムス、カール五世、レーオ十世、ツヴィングリ、ミュンツァー、ティルマン・リーメンシュナイダーの運命が私の念頭に浮かんでいるが、構成や形姿化のイメージがはっきり現れようとしない。『ファウストゥス博士』のときも『選ばれし人』のときもまだいきいきとしていた。中略。16世紀の一連の7つの歴史的性格的場面が考えられようが、そこには当時の立役者たちの立場や視点の(ユーモラスな)多様性が描かれることになる。それにふさわしい題名を見出せば、もう私にはなにがしか助けになるかのように思える。

6月5日。
転倒する。Kがプリマス車に試乗し合格点をつけたので、この車に決定。

6月6日、キルヒベルク、復活祭日曜日、わが79歳の誕生日。

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クリスマス・ツリーをやっと出してきて、飾り付ける、買ってから36年たった。




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夕食もそこそこに、月刊ALL REVIEWS)、ノンフィクション篇、『柳瀬 博一 × 鹿島 茂、『国道16号線:「日本」を創った道』を読む』をYoutubeで視聴。意外に(失礼!)面白く、質問もしてしまった。モダンジャズのレコードについて。鹿島さんとこの面でも趣味が合うことに気づいた。

https://allreviews.jp/news/5186

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