2021年3月30日火曜日

「止まれ、お前はいかにも美しいから」と叫びたい春の日の午前10時

今日の「シュッツを聴く」(新設)プロジェクトの成果。

Schütz: Cantiones Sacrae
The London Bach Society
44曲 • 2時間17分 • Dec 07, 2009

https://music.amazon.co.jp/albums/B01N8UW95E


Schütz: Complete Recording
ドレスデン室内合唱団
181曲 • 11時間18分 • Oct 06, 2016(77番まで聴いた……)

https://music.amazon.co.jp/albums/B01LXSBPH0

***


窓から満開の桜を眺め、ゼロ歳保育の子どもたちの声を聞きながら……午前10時頃の至福の時間。

今日の「抜書き」プロジェクトの成果。

『ファウスト FAUST. EINE TRAGODIE』
(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ Johann Wolfgang von Goethe)
森鷗外訳


1699行〜

己がある「刹那」に「まあ、待て、

お前は実に美しいから」と云ったら、

君は己を縛り上げてくれても好い。

己はそれきり滅びても好い。


同11575行〜

凡そ生活でも、自由でも、日々これを贏ち得て、

始てこれを享有する権利を生ずる。

だからここでは、子供も大人も年寄も

そう云う危険に取り巻かれて、まめやかな年を送るのだ。

己はそう云う群を目の前に見て、

自由な民と共に、自由な土地の上に住みたい。

己は「刹那」に向って、

「止まれ、お前はいかにも美しいから」と呼びたい。

己のこの世に残す痕は

劫を歴ても滅びはすまい。

そう云う大きい幸福を予想して、

今己は最高の刹那を味うのだ。


***


古川日出男『おおきな森』(講談社)を読み始める。900頁近い長大な作品。最後まで読むかどうかはわからない。とりあえず、現在は『銀河鉄道の夜』的な列車に乗っているが、宮沢賢治の爽やかな文体に郷愁を感じる状態にある。古川日出男さんは『ゆめをみるために毎朝僕は目覚めるのです』のなかで村上春樹さんにインタビューしているうちの一人だったと気付いた。見つけて読んでみている。坂口安吾も読んでおいたほうがいいのか。そんなことをしていたら、読み終わるのに一ヶ月くらいかかりそうだ。どうしたものか。

0 件のコメント:

コメントを投稿