昨夜、寝る前の読書。米原万里『心臓に毛が生えている理由』(角川文庫)。
このなかの「花より団子か、団子より花か」の中のラーゲリ(旧ソ連の強制収容所)に入れられた女性たちの挿話。つらかったのは必ずしも寒さや空腹でなく、情報が遮断されたこと、本も筆記用具も所持できなかったこと。生き延びる工夫は記憶の中の「本」をお互いに声に出して「読む」ことだった。
「それからは毎晩、それぞれが記憶の中にあった本を声に出してああだこうだと補い合いながら楽しむようになる。かつて読んだ小説やエッセイや詩を次々に「読破」していく。そのようにしてトルストイの『戦争と平和』やメルヴィルの『白鯨』のような大長編までをもほとんど字句通りに再現し得たと言う。」
—『心臓に毛が生えている理由 (角川文庫)』米原 万里著 Kindle位置No.690/2727付近。
https://a.co/bHqtTyB
『収容所のプルースト』を思わせる。
https://allreviews.jp/review/2045
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朝読書、『いろんな色のインクで』を読み続ける。
134頁。
『スプートニクの恋人』これは「ノヴルでなくてロマンスである」とのこと。
184頁。
薄田泣菫の『茶話』のこと。詩人は人生を二度生きる。泣菫は二度目の人生で随筆を書いた。
『完本 茶話』上中下を図書館で借りよう。解説も読みたいので。
210頁。
和田誠の『装丁物語』の話。(和田誠は広辞苑に従い「装丁」派。丸谷才一は大漢和辞典に従い「装釘」派)
裏表紙(カバー)にバーコードが印刷されることが多いが、デザイン上よろしくないと和田誠は抵抗したそうだ。さて『いろんな色のインクで』の装釘(和田誠)は? バーコードの位置は帯の上。
書評集で書評を読む時、初出媒体は何かを調べてから読むべし。文体を含め、丸谷才一のはがらりと異なる。
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BGM。
"Emperor" Concerto
by Ludwig Van Beethoven; Artur Schnabel; Frederick Stock; The Chicago Symphony Orchestra
RCA Victrola (VIC-1511)
Cantata No. 45 / Cantata No. 105
by Johann Sebastian Bach; Helen Watts; Agnes Giebel; Tom Krause; Ian Partridge; L'Orchestre De La Suisse Romande; Ernest Ansermet; Les Choeurs De La Radio Suisse Romande; Pro Arte De Lausanne
London Records (OS 25996)
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