2010年4月26日月曜日

「事実」の吟味とモデル化

 たとえば天文学の場合、遠い天体の観測から得られる情報の量は、理論構築に必要な情報量にくらべ非常に少ないし、観測に伴なう誤差がおおきい事が認識されています。そこで、得られた情報の精度やその解釈方法を徹底的に議論します。
 システム開発で顧客の持っている情報をわれわれも「観測」して、それを解釈して顧客のビジネスモデルや要求モデルを作るわけですが、このときに得られた「観測」事実をどの程度吟味しているでしょうか?顧客の発言やビジネスの表面上の姿を、無条件に信用して、モデル作成に使っていないでしょうか?
 顧客が「こういったので」そのとおり作ったのに、なぜ使い勝手が悪いと文句をいわれなきゃならないの..と不平を言うずっと前に、自分が正しいと思っている顧客からの取材事項をじっくり考えて、その正しい解釈はなにか、見落としはないのか、顧客そのものの発言の正確度はどうなのかを振り返ってみておく必要があります。
 天文学ではものいわぬ天体が相手ですが、顧客はうまくアプローチすれば、物を語ってくれます。これで安心するのではなく正しいシステム化のための重要な手がかりとして大事にする心構えが重要でしょう。

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