ビデオを観たあと、早速注文しておいた南木佳士さんの文庫本が到着。
その「阿弥陀堂だより」(2002年 文春文庫)を、昨夜一気読みした。
そもそも作者の名前さえ読めなかったのだが、よい作家を発見できて良かったと思わせる出来だった。
映画にくらべて、原作には主人公の生い立ちが詳しく書かれているところが違う。映画を観たときは、都会人の気まぐれで過疎の村に引っ越したのかと思ってしまった。「戻ってきた」と一言だけは言っていたのだが。
売れない作家としての、主人公の日常生活も原作を読むとうまく書かれている。村上春樹さんの小説の主人公にも似ている。料理をし、外で働く妻の帰りを待つ。
「死」を恐れないという考え方に興味を持ったのだが、映画で出て来る古武士のような恩師は、原作に登場しない。どうも他の作品から持ってきたのではないかと推測し、南木佳士さんの本の書評をあたっていたら、それらしいのが見つかった。これを今朝早く注文した。
なお、文庫本の解説は映画の小泉堯史監督が書いている。
ともかく、読んでいて涙が出てくるほどの(実は最近よくあるが)感動的な本でした。おすすめ本の仲間にいれよう。
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