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「秘密解除 ロッキード事件」(奥山俊宏 2016年 岩波書店)を読み始めた。
米国で40年後の公文書の開示がされて、それを丹念に読み込んだ筆者の描く、米国政府(特にキッシンジャー)と田中角栄のやり取りの描写に迫力がある。そもそも政府レベルの話ではないと田中角栄が渋っているのを、貿易不均衡解消のため、商用機を購入するよう日本の航空会社に働きかけるよう持ちかけたのは米側だった。田中角栄も小佐野を通じて業界とつながりがあったのが命取りにつながる。
この本の注を読んで紹介されたサイトをいろいろ検索してみて、米国の公文書館と日本の国立公文書館の充実度がまるでチガウのに驚いた。米国の公文書館を覗くとニクソンの電話の音声通話記録まで公開されている。日本では、たとえば外務省などに外交文書の記録が残されているようだが、本気度のレベルが違う。
田中角栄が首相を辞する(内閣総辞職)のは1974年12月。ニクソンはその直前にウォーターゲート事件で辞任している。
どちらも新聞や雑誌に掲載された記事が、辞職のための直接間接のひきがねとなった。現在の新聞雑誌の記者にも奮起を望みたいものだ。
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