「プロット・アゲンスト・アメリカ」(フィリップ・ロス 柴田元幸訳)を二日間で読み終えた。500ページを超える本だが長さを感じさせない。フィリップ・ロスのストーリーはさすがにうまいし、柴田さんの訳文は流麗だ。
フィリップ・K・ディックの「高い城の男」を思わせる内容だが、緊密な心理描写はこちらの勝ちだ。作者の分身である、幼いフィリップの目を通した語りが成功している。そして、迫害を受けるユダヤ人をユダヤ人の立場で描いたのが、成功の原因か。
物悲しくかつかすかなユーモアを持って恐怖感をかたる。これはフィリップ・ロスの独壇場。というほど、彼の作品を読んでいないので、読み終わった瞬間に、「父の遺産」を図書館システムで予約した。これは、「プロット・アゲンスト・アメリカ」の「その後」を描いたものと言ってよさそうな作品だ。
リンドバーグについても調べたくなった、映画「翼よあれがパリの灯だ」は子供の頃に観た記憶がある。出発前夜にまったく眠れないシーン、燃料を積みすぎてなかなか離陸できないシーン、眠くなり海に突っ込みそうになるシーン、パリに着陸し人々にかんげされるシーンなど、映像のイメージが蘇る。
その英雄リンドバーグがなぜファシズムと結びついたのか、知りたい。
なので、彼に関する本「空から来た男」も予約した。
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