「空の英雄 メルモーズ」読了。先に読んだ「サン=テグジュペリの生涯」と比べると、比べるのがそもそも可愛そうだが、ケッセルのメルモーズ伝は格段に素晴らしい。特に飛行中とその前後の記述が生き生きとしている。単純に飛ぶことが好きな人間がそれをひたすら追求する姿の描写にしびれる。機体の性能の制約により低空を飛ぶしかなかった時代の過酷な飛行が目の当たりになる。一方大地がよく見えてサン=テグジュペリのように哲学的感想も生まれる。「飛ぶこと」が冒険だった時代。
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書誌情報の編集を適当に切り上げて。「図書館 愛書家の楽園」(アルベルト・マンゲル 野中邦子訳 2018年(再刊) 白水社)を読み始めた。古い司教館を手に入れそこに理想的な書庫を作ろうとするところから話が始まる。バベルの塔以来、モンテーニュを始め言語生活・読書は塔で行われるのか。マンゲルはその後ブエノスアイレスの図書館長になるらしい。羨ましい。バージニア・ウルフを引用して、知識の追求者は読書を楽しめない、読書好きの人間は何かを学ぼうという欲求を抑えて読書しなければならない…と言っているのは、オモシロイ。
この本は気に入った。書誌編集の対象にする。
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稀勢の里今場所は体調がいいのか、5連勝。ガンバレ。
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