2019年6月18日火曜日

前原寅吉のこと

『野の天文学者 前原寅吉』(鈴木喜代春 2009年 らくだ出版)読了。子供向けの本のようだが、内容は濃い。前原寅吉は青森県八戸市で時計商を営んでいた民間天文学者。独学で天文学を学び、その業績により、発足して間もない天文学会の特別会員に推薦された。いろいろな意味で私の大先輩。

「太陽面直接観望用眼鏡」を望遠鏡の先に取り付けて、1910年5月19日、日本で唯一ハレー彗星の太陽面通過を観測したというのだが、本当だったのか。天体写真を撮るのも上手だったはずなので、証拠写真があればいいのだが、伝えられていない。観測にいそがしく、写真を取る余裕がなかったのかもしれない。

後年、失明するのだが、時計の修理や天体観測で目を酷使したせいだという。しかし、奥さんが(いつも助手を務めていたので)、本人の代わりに観測をしてくれることで、心が慰められただろう。

1950年死去。私は、そのときはまだ青森市郊外に棲息していたので、もちろんお目にかかっていない。その後、八戸市に移ったが、番町の「前原時計店」はよく知っている。

Wikimedia Commons
Description
English: Japanese Amateur_astronomy Torakichi Maehara in Aomori
日本語: ハレー彗星の接近の瞬間を捕らえた天体マニアの前原虎(寅)吉 1910年5月 青森県
Date May 1910
Source 20世紀2001大事件[CD-ROM] https://www.amazon.co.jp/20%E4%B8%96%E7%B4%802001%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E4%BB%B6-CD-ROM/dp/462090600X/ref=cm_cr_pr_product_top
Author Mainichi Shimbun

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