『たゆたえども沈まず』(原田マハ 2017年 幻冬舎)を昨夜から今日の夕方までで読了。久しぶりの一気読み。
パリ市の紋章に「たゆたえども沈まず(Fluctuat nec mergitur)」と書いてあるのだそうだ。歴史の波に翻弄されるが、しぶとく存続するパリのことらしい。
小説に出てくる、ゴッホとその弟テオも、そしてゴッホの理解者林忠正も懸命に、パリで生きようとするが、結局は倒れていく。しかし、彼らの携わった芸術活動は、生き延びる。「移動祝祭日」であるパリは、訪れた人々(私もその仲間に入れて欲しいが)の心のなかで、永遠に生きる。
この小説の本当の主人公は、パリなのだろう。物理的に存在するパリと言うよりも、人々の心のなかに存在する巴里。
偉大だがちょっと複雑な人物、林忠正のことは、これから時間をかけて調べる必要がある。手始めには、国会図書館デジタルにも、森鷗外の林忠正への批判的な文章がある。芸術至上主義の鷗外にとっては、林の俗物性に我慢がならなかったのだろう。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/978769/285
『ゴンクールの日記』(岩波文庫)は、図書館で予約した。
そして鹿島先生の『パリの日本人』も。
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予約と言えば、年末の人間ドックを予約した。正しくは人間ドックつき忘年会。
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