2019年12月24日火曜日

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』を読むと紙の書物は絶対に絶滅しないとわかる

ALL REVIEWS「友の会会員が選ぶ「今年の3冊」DAY.3」として、以下のnote記事がリリースされた。
私が書いたものなので、嬉しい限りである。お読みいただければ幸いだ。


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noteは使い慣れないが、元日リリースの記事として、「週刊ALL REVIEWS新年特大号(仮題)」も作成しつつある。これは、過去半年の週刊ALL REVIEWSの巻頭言を26個まとめたもの。ご期待いただきたい。一般に読めるようになったら、このブログでも通知する予定。

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いい本だ。造本はイマイチだが。


図書館で借りてきたもののうちから『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(阪急コミュニケーションズ)を読み始めた。オモシロイしすらすら読めるので、一挙に224頁まで読む。
書誌はここ。

『薔薇の名前』の作者ウンベルト・エーコとフランスの劇作家ジャン=クロード・カリエールの対談で、二人の浩瀚な知識がぶつかりあって、読んでいると興奮してくる。
92頁。終身読書刑というマイナスイメージの話が出てくるが、私は逆にプラスに捉えて無期読書刑に処されたいと思った。一日一冊以上読まないとイケナイ刑。
101頁。これから校閲官のシゴトは重要になるのだとか。

171頁。エーコの語る、古代ローマの図書館のそばの書店の話が面白い。昨日ブログに書いた唐代の書店の話に似ている。巻子本、写本であり、客の注文で2週間ほどで手渡せる。売れ筋の本は写本の在庫があることもある。

少し、用語を学習した。コデックスとは冊子状の写本。巻子本はヴォリュームと呼ぶ。またはスクロールとも。すると、現代のWebサイトはスクロールする巻子本と何ページにもわたるコデックス状のものが融合した構造ということになる。
インキュナブラとは1500年以前に印刷された書物すべてのこと。

(ここで突然『嵯峨野明月記』(辻邦生)が頭に思い浮かび、本棚から下ろしてきた。中公文庫のほう。著作集にも入っているが重いので、寝転んでは読めない。17世紀当時の木版活字による版面の美しさと読みやすさにまた興味が湧いた。あとで調べよう。
書誌はここ。

209頁。古書の愛好家は視覚や嗅覚が発達し、広大な書棚の前でも自分に必要な本を驚くべき速さで選び出すそうだ。しかも必要な本を探すには探偵顔負けの執念深さで世界の果てまで探しに行き、結局探し出す。オモシロイ。

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