2019年12月25日水曜日

物理的書籍の寿命は驚くほど長くて数百年数千年は当たり前

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(阪急コミュニケーションズ)を読み続ける。

223頁。「書物はもちろん読まれるたびに変容します。…偉大な書物はいつまでも生きていて、成長し、我々とともに年を取りますが、決して死にません。時とともに作品は肥沃になり、変容し、…」とあるが、これは私の実感とあっている。このような書物は、物理的な(紙や羊皮紙の冊子であれ、巻子本であれ、粘土板であれ、木簡であれ、石碑であれ)書籍でなくてはならないだろう。電子書籍はこのような時間の洗礼を受けるには、「弱い」気がする。

だんだん、話がとっ散らかってくる。オモシロイが、眉を湿らせなくてはならない。

270頁。必ず儲かる出版社の話。裕福な作家に(自費)出版をさせる。書評家や新聞社もだきこみ、さも、本の評判が高いと思い込ませる。作家は、得意になり、知人に配ろうと何百部も注文する。そのときにこっそりと素早く印刷する。結局買っているのは著者である作家だけ。流通コストはもちろんかからない。

273頁。サミズダートとは旧ソ連時代の地下出版物。昔は大変だったが、いまや、ネット上で公開できる。これからの出版のあるべき姿かもしれないというのは私の感想。

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粘土板と書いていたら、黒沼健の『失われた古代大陸』の冒頭部分を思い出した。手元にあるのは後に買った文庫本だが、中学生時代に自宅の本棚にあった本は単行本だったような気がする。自宅の火災(類焼)で焼けてしまったが。



書誌
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000001305924-00

この本のはじめのほうで、ジェームズ・チャーチワードがインドの寺院の穴蔵で古い(きっと紀元前の)粘土板(タブレット)を発見し、寺院の院長と内容を苦労して解読する。すると、人類の誕生したムー大陸のことが書いてある…。

ほぼチャーチワードによるフィクションなのだろうが、子供心には、信じても良さそうな話と思われた。

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ともかく、書籍の寿命は驚くほど長い。

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