2021年1月4日月曜日

武田百合子『犬が星見た ロシア旅行』を読むだけでもうロシア旅行には行かなくても良い?

年賀状今日も10枚書いた。元日の分、Jが書いた分合わせて、30枚くらいになった。松の内には届くように明日と明後日で全部書きたい。義務化するのはいやなので、ゆっくり書きたいところではあるが。

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今朝は、インターネットでNHKラジオ番組の「聴き逃し」を利用して、元日に放送された高橋源一郎さんと瀬戸内寂聴さんの対談を聴いた。実際には先月はじめに電話で対談したものだ。今年99歳になるが、老いてなお元気な声の瀬戸内寂聴さんの話は相変わらず面白い。原稿用紙は最近1万枚注文したらしい。書くことで健康を保っているようだ。最近は三島由紀夫を読んでいるそうだが、ひょっとしたらまたそれで長編を書くのかもしれない……。三島がノーベル賞を取れていたら、三島はもちろん、川端康成も死ななくて済んだ、とおっしゃる。瀬戸内さんの本を読んでみたいが、(特に評伝類、)泥沼に嵌りそうなので、とりあえず敬遠しておく。

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武田百合子の『犬が星見た ロシア旅行』(中公文庫)をようやく読み終わった。12月25日に借り出したので、足掛け10日かかった。最近読書スピードが落ちていたので妙に読むのが遅かったのかと思ったが、実はこれは本来ゆっくり読むべき文章だと思い直した。即物的でわかりやすい記述なのだが、ななめ読みができない。文章がいやおうなくじわじわと頭に侵入してくる。不思議な力をもった紀行日記だ。昭和44年のソビエト旅行の様子がありありと描写され、もういまさらロシアには行かなくても良さそうな気がしてきた。もちろん、機会があったら行きたいが、この本に描かれた体験以上の体験はできないだろう。その意味では罪作りな本である。ともかく感服、脱帽。

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