2021年2月16日火曜日

『トーマス・マン日記』全十巻を読み終えたので、また最初から読み始める予定

『トーマス・マン日記 1918−1921』を最後まで読み終えた。

1921年9月17日。『ゲーテとトルストイ』講演旅行をドイツ国内で行う。最初リューベックに立ち寄り、7日間滞在、講演以外の時間をなつかしい街歩きで過ごす。この日の日記は旅行から戻って書いたもの。

12月1日。1921年の収入は300,000マルク。嬉しそうに書いているので、予想より多かったのだろう。エイヤーで100倍すると、三千万円。莫大というわけではない。やむを得ずだろうが、トーマス・マンは外面的には貴族的な生活をしていた。高価な住まいや身なり。使用人も複数。そう思うと46歳のこの頃も内情は苦しかっただろう。そして子供も多かった。

ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
Katia Mann mit ihren sechs Kindern um 1919.
Von links nach rechts: Monika, Golo, Michael, Katia, Klaus, Elisabeth, Erika.


ところで、これで『トーマス・マン日記』(紀伊國屋書店)を10巻全部「読んだ」ことになる。このブログを本格的に書き始めたのは、2016年10月で、さかのぼってみても第一巻を買ったのがいつか解らない。思いついて、Amazonの過去の注文履歴を調べたら、2014年5月12日に中古品1400円で買っていたのが判明。この後、やはり中古で4冊買った。残りの5冊は高くて買えず、世田谷区立図書館に揃っているのを発見して、昨年から一年がかりで5冊借りて読んだ。こうして見ると、借りるほうが本は早く読めるとわかる。買うと安心してしまい、いわゆる積ん読になる。でも、この本のように資料的価値もある本はできれば手元に置きたいのだが、財布が許さない。

さきほど、手元にある第一巻から第五巻をめくってみたら、内容を記憶していないところが多いのに気付いた。また、最初から読む必要がありそう。また、十冊読むことになるのか。終わるのは5年はかかる。全集も並行してよむのであれば10年かかるだろう。生きているうちはずっと読み続けるような予感がしてきた。

それも面白そうだ。

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