2021年3月10日水曜日

私の春の読書の定番は『虞美人草』だけでなく『バビロンの流れのほとりにて』も

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

The Art Of The Guitar
Andres Segovia & John Williams
19曲 • 1時間8分 • Dec 31, 2005

https://music.amazon.co.jp/albums/B0043N21U2

音がいい。

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『海の祭礼』読了。

幕末期、日本をとりまく状況、ロシア・イギリス・フランス・オランダ、そしてアメリカが日本を様々な思惑で、開国させようとする。

その中で、漂着をよそおって日本に「不法」入国したラナルド・マクドナルド(1824年生まれ)、彼から英語を学んだ通詞の森山栄之助(1820年生まれ)、開国を強硬にせまるマシュー・ペリー(1794年生まれ)、三者の姿を描き当時の日本開国の状況を活写する。面白かった。著者の吉村昭によると森山栄之助のことが一番調べられなかったという。確かに三人のうちで物語性が一番薄く描かれている。

かなり前に小島直記の『一期の夢』(実業之日本社)を買って、語り口が気に入らないという理由で積んであったので、これにも目を通すことにしたい。この本の主人公福地桜痴は森山栄之助の弟子だからだ。日本の英学史にも目をむけたいところ。

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春先の読書の定番は、『虞美人草』ともう1冊、森有正先生の『バビロンの流れのほとりにて』だ。思い出したので、本(昭和43年 筑摩書房)を取り出してきてめくってみた。冒頭は暗唱できるくらいだ。若いときの読書は生涯の読書を左右するとも、読める。この本はまさにそれに当たる。高校の現代国語の教科書で読んでゆるやかだが強い衝撃をうけた。それ以来この本を50年読んできたし、この本を媒介として多くの本を読み。欧州の文明の豊穣さに憧れた。バッハを聴き続けるのも森有正先生の影響だ。

装幀は栃折久美子さん


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