2022年1月9日日曜日

樋口直美さんの『私の脳で起こったこと』は同病の方々だけでなく皆を勇気づける本だ

樋口直美さんの『私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活』(ブックマン社)を読み終えた。昨日と今日、孫のお世話兼息子の引っ越し手伝いに「通勤」したのだが、その行き帰り計2時間ほどで全部読めたことになる。

昨日読んだ前半部分は、病気に負けた状態だった著者が、今日読んだ部分では、病気を克服した姿が描かれる。「克服」とは快癒したという意味でなく、病気ときちんと立ち向かい主体的に生きることを言う。

著者を変えたのは、考え方の変革だろう。良い意味の開き直り。そしてその「手段」は「書くこと」、「発信すること」だった。

190頁。

「脳の機能の一部を失ったからといって、知性を失う訳ではない。記憶を失ったとしても思考力を失う訳ではない。」

197頁。

「私の思考能力は、衰えていない。私の基本的な性格も変わってはいない。」

できないことを嘆くのではなく、できることがあることを喜ぶ姿勢だ。

223頁。

「〈未知の感覚を恐れてはならない

はるか前から未来はあなたの中にある

ただそれが生まれるのを待ちなさい〉 リルケ』

224頁。

「私は、9月に実名で社会に向けて発言していこうと決めました。」

226頁。

「体調がどうであろうと、病気が何であろうと関係ない。」


引き続き、同著者の『誤動作作動する脳』(医学書院)も読むことにする。

https://allreviews.jp/review/4750

 

0 件のコメント:

コメントを投稿