樋口直美さんの『私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活』(ブックマン社)を読み終えた。昨日と今日、孫のお世話兼息子の引っ越し手伝いに「通勤」したのだが、その行き帰り計2時間ほどで全部読めたことになる。
昨日読んだ前半部分は、病気に負けた状態だった著者が、今日読んだ部分では、病気を克服した姿が描かれる。「克服」とは快癒したという意味でなく、病気ときちんと立ち向かい主体的に生きることを言う。
著者を変えたのは、考え方の変革だろう。良い意味の開き直り。そしてその「手段」は「書くこと」、「発信すること」だった。
190頁。
「脳の機能の一部を失ったからといって、知性を失う訳ではない。記憶を失ったとしても思考力を失う訳ではない。」
197頁。
「私の思考能力は、衰えていない。私の基本的な性格も変わってはいない。」
できないことを嘆くのではなく、できることがあることを喜ぶ姿勢だ。
223頁。
「〈未知の感覚を恐れてはならない
はるか前から未来はあなたの中にある
ただそれが生まれるのを待ちなさい〉 リルケ』
224頁。
「私は、9月に実名で社会に向けて発言していこうと決めました。」
226頁。
「体調がどうであろうと、病気が何であろうと関係ない。」
引き続き、同著者の『誤動作作動する脳』(医学書院)も読むことにする。
https://allreviews.jp/review/4750
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