「即興詩人」にはアンデルセンの幼児体験が色濃く反映されている
何も書くことがないなら、ご自分の子供の頃を思い出せばいい、という意味のことを、リルケが書いていた。
「即興詩人」の主人公(アントニオ)の口を借りて、アンデルセンは、幼児期の生き生きとした目で見つめることができれば素晴らしい詩がかけると言った。(ジェンツァーノの花祭りのシーン)
幼いアントニオはこのあとすぐに、母を思いがけない事故でなくして逆境におちいる。
アンデルセン自身も幼いころ最愛の父をなくして、ショックを受ける。そのショックからなかなか立ち直れない。その後の彼の書いた物語の悲しさには、このことがおおきく影響している。
「即興詩人」にも、上記のことはあてはまるのだろう。そして、自分の悲しさをアントニオに託して語ることにより、一定の慰めや諦念を得ることに成功したと思える。
言葉、文章、そして物語を書くことの大きな意味が、ここに含まれている。
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「天文月報」7月号が届いた。特集は「歴史書から探る太陽活動」、これなら読み通せそうだ。
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