最近読み漁っている南木佳士さんの作品。「海へ」(2004年 文春文庫)。出版年は新しいが書いたのは病気回復のすぐ後らしい。
したがって(?)、似たような病後の人は読むのには注意が必要だろう。ただし、後書きに著者が書いてあるように、時間が経って、より客観的に病気を見つめる余裕ができてからなら、この作品の良さがわかりそうだ。
山に住まう主人公が、みずからにリハビリとして課す海岸への旅行。旧友の医師の娘の描写がうまい。娘と食べている草餅を食べたくなるし、娘が愛読(高校の現代国語の教科書!)するホーソーンの短編「大望の客」も読みたくなる。
「恢復する」、「生きる」、「死を迎える」とはどういうことなのかを考えさせる作品だ。
ホーソーンの「大望の客」の荒正人訳はすぐには入手できそうもないので、
原文をオンラインで読みました。荒正人訳、読んでみたいなあ。
南木佳士さんの本はもっと読んでみたいと、こころが言ってます。
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