リヒテルさんの住居の話が最初に出てくる。若きボリソフ氏が高名なピアニストを訪ねるところから始まる。グランドピアノ2台が片隅にあるような大きな部屋を持つ住居で、高層ビル(まだ未調査)の16階にある。住所はボリシャヤ・ブロンナヤ通りと11ページにある。
部屋の手書きの見取り図が18ページにある。
聞き手が若いのでリヒテル氏はちょっと指導者風なところを見せる。
22ページ。チェーホフの短編「恐怖」の田舎屋敷のような別荘にも招待される。リヒテルはチェーホフ好きだったとボリソフは書いている。
52ページ。白いピアノもあるが、私は黒い色のがすきだ。黒は静寂の色だ。そして、勉強は夜にするのが好きだよ…。バルコニーに出るとモスクワの夜景が一望できる。
#これはアパートの方ですね。
64ページ。誰もがグールドに感激するがフランス組曲は(速すぎる)…
89ページ。トーマス・マンは全部好きだ。「ブッデンブローク」は天才的…でも「ファウスト」は不満。音楽学は文学に変換すべきでない…
90ページ。プルーストはもっと偉大だ。これはゆっくり読まなくてはいけない。(このあと、「スワン家」の露訳本をボリソフに与え、1ページずつ読むようにと注意書きを最後の見開きに書いてやる。
さて、恐れ入りました。トーマス・マンはいいとして、チェーホフは全集を掘り出してこなければならない。そして、逃げ回ってきたが、ついにプルーストを読む羽目になりそうだ。1ページずつなので、何年かかることか(*^^*)
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ギレリスももう少し研究したいので、例によってビデオを観る。まだギレリスのほうが汗かきだぐらいしかわからない。ギレリスが大汗をかいて弾いているのに、同じビデオでリヒテルは涼しい顔で弾いている。ピアノの音色もこれに応じた違いがありそうだ。でも意外に(失礼かしら)ギレリスの高音は綺麗で繊細だ。
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渡辺一夫先生の本も借りてきた。「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」を読む。この問の答えはもちろん決まっているのだが、そう読者を説得する語り口自体が「寛容」。
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