2019年6月9日日曜日

「円城塔×大日本タイポ組合『文ッ字渦〜文字の想像と創造〜』」というイベントに参加してきた


「町田市民文学館ことばらんど」で行われた「円城塔×大日本タイポ組合『文ッ字渦〜文字の想像と創造〜』」という、面白いイベントに参加してきた。
もともと、円城塔さんの『文字渦』という小説らしくない小説に惹かれて、参加したのだが、「大日本タイポ組合さん」(秀親さんと塚田哲也さん)の展覧会も興味深かった。『文字渦』の創作の秘密、特にその文章の中で繰り出された、たくさんの見慣れぬ文字たちが、どのように作られたかという「秘密」を知って驚いた。

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日記風に参加印象を書く。
町田はご近所の盛り場だが、最近10年位はご無沙汰していた。街並みを歩くと、なつかしいお店にたくさん出会う。BOOK・OFF、DiskUnion、ドスパラ、立ち飲み屋、Nゲージジオラマ店…を通り過ぎるいや、2・3箇所入ってみる。

目的地(町田市民文学館)に近づくと、以前何らかの(何かはわすれたが)イベントで一階には入ったことがある。町田ゆかりの(遠藤周作や白洲正子や)文学者のパネル展示や、作品書籍、文学に関する資料や、事典類が閲覧室にあって、落ち着いた席もある。町田市立図書館のカードがあれば、貸出も受けられる。(今度カードを作って来てみよう。)

(後記:ブログを書いてしばらくして、パンフレットを見ていて思い出した。
これだ。「いきmonoがたり ―「ファーブル昆虫記」&「シートン動物記」の世界―展」)


二階の展示室では、大日本タイポ組合(type.center)の展示がされており、こんな面白いパネルもあった。高輪ゲートウェイを漢字三文字で表すと…
写真を拡大してみると…


横の大会議室に80名集まった。

鼎談だ。円城塔さんと秀親さんと塚田哲也さん。実は円城さんのお話だけを期待してきたのだが、終わってみると三人の掛け合いが愉快という意味で効果的だった。
「文字」に関する話が中心。キーワードだけ書くと…


  1. 中島敦『文字禍』はもちろん尊敬
  2. 糸山秋子『妻の超然』(新潮文庫)のカバー(書影は下に)は大日本タイポ組合作成
  3. 『文字渦』の装丁を大日本タイポ組合でやりたかった(今の書影も下に)
  4. 漢字はそのデザインも大事
  5. 謎の漢字がある
  6. 『文字渦』の雑誌版と書籍版の字には違いがある
  7. 新潮社には独自の「基本漢字」が280字強ある。他社にも。
  8. 新潮社の漢和辞典のスタッフが『文字渦』も手がけた
  9. 右からの横書き文字は、一字ごとに改行していると考えると良い
  10. 『abさんご』黒田夏子さん、面白い
  11. 中国の漢字改革事情に注目したい
  12. ルビとルビタグ、ルビの世界は何でもあり
  13. ルビは老眼にはつらい
  14. 文字のよみにくさはデザインで何とかする
  15. 漢字とひらがなは相性が悪い(カタカナは良い…漢字の一部だから 高輪ゲートウェイ…)
  16. 幼児は最初は和語しか使わない、歴史的にも漢語からひらかなに進化したのに、また漢語に戻すって…
  17. コトバのルネサンスが必要、具体的には?
  18. 小説は構造化できない(一部を変更すると全体に変更が及ぶ)、Gitは使えない
  19. シナリオを書くのにHTMLで書いて渡したら、必ずWordになって戻って来る…無力感
  20. 最近のゴジラ映画で古代の壁にカタカナで「ゴジラ」と書いてあったが???
  21. 円城さんの次の作品のタイトルは「ありがとう」(冗談)




面白い話のシャワーだった。
私の聞きたかった話は、鼎談で紹介された以下のページに尽くされている

『文字渦』の文字はいかに作られたか──「作字」をDNPメディア・アートに聞く

円城塔『文字渦』出版インタビュー〈前編〉
円城塔『文字渦』出版インタビュー〈後編〉
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仲見世商店街をぬけて、小田急デパートの地下で鯖の塩焼き(356円二枚)を買って帰った。さっき食べたがうまかった。

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