「町田市民文学館ことばらんど」で行われた「円城塔×大日本タイポ組合『文ッ字渦〜文字の想像と創造〜』」という、面白いイベントに参加してきた。
もともと、円城塔さんの『文字渦』という小説らしくない小説に惹かれて、参加したのだが、「大日本タイポ組合さん」(秀親さんと塚田哲也さん)の展覧会も興味深かった。『文字渦』の創作の秘密、特にその文章の中で繰り出された、たくさんの見慣れぬ文字たちが、どのように作られたかという「秘密」を知って驚いた。
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日記風に参加印象を書く。
町田はご近所の盛り場だが、最近10年位はご無沙汰していた。街並みを歩くと、なつかしいお店にたくさん出会う。BOOK・OFF、DiskUnion、ドスパラ、立ち飲み屋、Nゲージジオラマ店…を通り過ぎるいや、2・3箇所入ってみる。
目的地(町田市民文学館)に近づくと、以前何らかの(何かはわすれたが)イベントで一階には入ったことがある。町田ゆかりの(遠藤周作や白洲正子や)文学者のパネル展示や、作品書籍、文学に関する資料や、事典類が閲覧室にあって、落ち着いた席もある。町田市立図書館のカードがあれば、貸出も受けられる。(今度カードを作って来てみよう。)
(後記:ブログを書いてしばらくして、パンフレットを見ていて思い出した。
これだ。「いきmonoがたり ―「ファーブル昆虫記」&「シートン動物記」の世界―展」)
二階の展示室では、大日本タイポ組合(type.center)の展示がされており、こんな面白いパネルもあった。高輪ゲートウェイを漢字三文字で表すと…
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| 写真を拡大してみると… | 
横の大会議室に80名集まった。
鼎談だ。円城塔さんと秀親さんと塚田哲也さん。実は円城さんのお話だけを期待してきたのだが、終わってみると三人の掛け合いが愉快という意味で効果的だった。
「文字」に関する話が中心。キーワードだけ書くと…
- 中島敦『文字禍』はもちろん尊敬
 - 糸山秋子『妻の超然』(新潮文庫)のカバー(書影は下に)は大日本タイポ組合作成
 - 『文字渦』の装丁を大日本タイポ組合でやりたかった(今の書影も下に)
 - 漢字はそのデザインも大事
 - 謎の漢字がある
 - 『文字渦』の雑誌版と書籍版の字には違いがある
 - 新潮社には独自の「基本漢字」が280字強ある。他社にも。
 - 新潮社の漢和辞典のスタッフが『文字渦』も手がけた
 - 右からの横書き文字は、一字ごとに改行していると考えると良い
 - 『abさんご』黒田夏子さん、面白い
 - 中国の漢字改革事情に注目したい
 - ルビとルビタグ、ルビの世界は何でもあり
 - ルビは老眼にはつらい
 - 文字のよみにくさはデザインで何とかする
 - 漢字とひらがなは相性が悪い(カタカナは良い…漢字の一部だから 高輪ゲートウェイ…)
 - 幼児は最初は和語しか使わない、歴史的にも漢語からひらかなに進化したのに、また漢語に戻すって…
 - コトバのルネサンスが必要、具体的には?
 - 小説は構造化できない(一部を変更すると全体に変更が及ぶ)、Gitは使えない
 - シナリオを書くのにHTMLで書いて渡したら、必ずWordになって戻って来る…無力感
 - 最近のゴジラ映画で古代の壁にカタカナで「ゴジラ」と書いてあったが???
 - 円城さんの次の作品のタイトルは「ありがとう」(冗談)
 
…
面白い話のシャワーだった。
私の聞きたかった話は、鼎談で紹介された以下のページに尽くされている
『文字渦』の文字はいかに作られたか──「作字」をDNPメディア・アートに聞く
円城塔『文字渦』出版インタビュー〈前編〉
円城塔『文字渦』出版インタビュー〈後編〉
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仲見世商店街をぬけて、小田急デパートの地下で鯖の塩焼き(356円二枚)を買って帰った。さっき食べたがうまかった。
円城塔『文字渦』出版インタビュー〈後編〉
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仲見世商店街をぬけて、小田急デパートの地下で鯖の塩焼き(356円二枚)を買って帰った。さっき食べたがうまかった。






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