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これを読んで、翻訳家としての玄奘三蔵に興味が湧いた。『大唐西域記』や『西遊記』に描かれた、旅行家三蔵のことしか頭になかったが、実は旅行から帰ってからの、「その後の人生」のほうが、大変だったのではないだろうかという考えからだ。
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見つかる限りの資料に、あたってみた。国会図書館デジタルコレクションでは、この本の記事が詳しいようだ。
『東洋文化の研究』(松本文三郎 岩波書店 大正15年)
これは、あとでOLD REVIEWSにしても良さそうだ。
三蔵死後、書かれた伝記もある。大正新脩大藏經にある。これは、どうも基本文献らしく、多くの記事はこれに従っているように思われる。
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昼食後、思い出して、『玄奘三蔵』(前嶋信次 昭和27年 岩波新書)を、物置から掘り出した。最後の20ページ強が、「譯經」という章で、割と詳しく訳業のことを伝えている。皇帝の援助があり、数十人の学僧が三蔵の手助けをした。かなり、強力なプロジェクトだったらしい。皇帝は、三蔵の識見を買っており、たびたび還俗して政務補佐をするように求める。それを断りつつ、プロジェクトを推進するのは大変だっただろう。
翻譯の詳しい議論は書かれていない。
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『玄奘三蔵』のあとがきに、いくつか欧文の参考書が紹介されている。
まず、
Histoire de la vie de Hiouen-Thsang, par Hoëi-Li et Yen-Thsong, tr. par S. Julien
これは稀覯書であると、前嶋博士はおっしゃっている。Internet Archiveで見つけた。
次に、
The Life Of Hiuen Tsiang, by Beal,Samuel
これもInternet Archiveにある。
そして、1952年の
The Real Tripitaka and other pieces
これは源氏物語翻譯で有名なArthur Waleyの著書。Kindle本になっている。安い。
ただし、この3つとも、旅行家としての三蔵はよく描いているが、翻訳家としての三蔵の記述は少なめだ。
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まず、「大正新修大蔵経」とにらめっこしたあとで、『東洋文化の研究』をOLD REVIEWS化して勉強し、そのなかから、翻訳家玄奘三蔵の姿を明らかにする文献を探さなければならない。翻訳学(ってあるのか?)の立場からの論文も捜してみるべきか。
空海の視点から調べるのもありかもしれない。
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今日は涼しくて勉強に向いた気候になってきたと感じた。長安も涼しいのだろうか。
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