https://hfukuchi.blogspot.com/2018/02/blog-post_13.html
今日もあまり読書には気が向かなかったので、ALL REVIEWSの書誌編集チェックを少しだけやった後、ビデオを観ることにした。ちょうど、Amazonプライムビデオに映画版がおりてきている。
家事をこなしつつだったので、観終わったのは夕食後。このなかで、あこがれの調律師に、見習い調律師が助言を求めるところがある。「どんな音を目指しているのか」、それへの直接の答えはない。
「明るく静かに澄んで懐しい文体、少しは甘えてゐるやうでありながら、きびしく深いものを湛へてゐる文体、夢のやうに美しいが現実のやうにたしかな文体」という、原民喜の言葉の引用が答えだった。
経験を積んだ結果、やっと、この言葉で先輩調律師が何を言ったのか理解し、さらに困難なコンサート・チューナーを目指すことになる。
映画はなかなか面白かった。
この原民喜の言葉の出どころを調べてみた。すぐ検索できた。青空文庫にも収録されている「沙漠の花」という文章の一節だった。
それを読んでみると、原民喜が堀辰雄の『牧歌』(1950年)を読んで、その文体について評したものであることがわかった。書籍としての『牧歌』は持っていない。国会図書館デジタルでも著作権の関係で読めない。他の書籍たとえば『雉子日記』にはそれらしい文章が収録されているのを読むことが出来る。
もっと調べたいので『堀辰雄全集第4巻』(筑摩書房)を、近所の図書館で借りることにし、予約し
た。これには『牧歌』が収録されている。書籍としての『牧歌』を見に行くのはこれを読んでから。
今朝の林檎は金星。岩木山の麓から来たのだろう。爽やかに甘い。
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