2019年12月5日木曜日

『真昼の暗黒』(ケストラー)を読むスピードだけはボーヴォワールに負けない


11月26日にこのブログに書いた記事を見ると、『パリ左岸』の127頁に、「ボーヴォワールはカミュから渡されたケストラーの『真昼の暗黒』を一気に読み終える。1945年1月1日。」と書いた。それほどスゴイのか、と半信半疑ながら、邦訳文庫版を図書館で予約しておいた。昨日、図書館に行き、受け取ってきた。今朝、起きたあと朝食の支度までには30分ほど暇があったので、少しだけ読んでみようとした。

驚いたことに、ぐいぐいと引き込まれてしまい、午前中で240頁まで読み終えてしまった。残りは160頁ほどあるが、ひょっとすると今夜中に読んでしまうかもしれない。

そもそも、ケストラー(Arthur Koestler)とはどんな人物なのか知らなかった。『パリ左岸』では、共産党からは、裏切り者として嫌われている様子が読み取れる。

たしかに、当時のスターリンへの痛烈な批判、ソビエトの体制は共産主義と言いながら、ナチスの全体主義と変わらないということを、収監された主人公を描く中で、声高く訴えている。

私のブログでは、「225頁。1946年5月5日。(フランスの)国民投票。共産党提案の改革案は52%の反対票で否決された。『真昼の暗黒』がその前にベストセラーとなっており、その影響だったかもしれない。」と書いた。

ケストラーはブダペスト生まれのジャーナリスト。戦後は主にイギリスで文筆をふるったらしい。
代表作はこの『真昼の暗黒』だろうが、他の小説としては『行者と人民委員 ― 社会の見方について』、『現代の挑戦』などがある。以上は邦訳されている。

ジャーナリストであり、科学系のドキュメンタリーも書いている。『ヨハネス・ケプラー ― 近代宇宙観の夜明け』、『コペルニクス ― 人とその体系』、『創造活動の理論』、『機械の中の幽霊 ― 現代の狂気と人類の危機』、『サンバガエルの謎 ― 獲得形質は遺伝するか』、『ホロン革命』など。最後の『ホロン革命』は、日本でも当時(1983年)話題になったのを覚えている。

面白い人物のようなので、調べてみることにした。ひとまず、図書館で『ケストラー自伝・目に見えぬ文字』を予約した。大部の本らしい。正月中に読み終えられるだろうか。



これから、NHKの首都圏直下型地震のドラマ『パラレル東京』を見たあと、『真昼の暗黒』をまた読むことにする。当時のボーヴォワールと違って年なので、徹夜はしない*つ*も*り。

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