昨夜、小津安二郎作品を2本観た。『晩春』(1949年)と『麥秋』(1951年)、2本とも主演は原節子。
三部作なので、『東京物語』(1953年)も今夜観る。Amazonさまさま。
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本筋には関係ない話だが、『晩春』も、『麥秋』も主人公紀子の家は北鎌倉。原節子演じる紀子が「元気よく」玄関の引き戸を開け締めするたびに、自転車のベルのような音が連続的にする。この音に聞き覚えがあったので、インターネットでサーチしてみた。「引き戸ベル」とか、「来客報知器」とかいう名前の器具らしい。引き戸を動かすと、小さな車輪が回転し、それに連動してベルが鳴る。昭和三十年代に住んでいた我が家の戸にこれがついていた記憶がある。小津安二郎は1903年生まれ、私の父も似たような年格好だった。
派手な音をさせて、原節子が帰ってくると、父親役はたいてい机に向かっている。浴衣を着て座って横文字の本を読んでいたりする。
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映画自体は面白いし、原節子は評判通りきれいだ。小津安二郎監督は原節子に思慕を抱いていたと言われる。おそらく事実だろう。
小津には戦時中、中国で戦っていた。人にはあまり言えないような作戦もあっただろう。
小津映画を観るときに、ノスタルジーを感じる人は多いだろう。われわれはノスタルジーを、単なるセンチメンタルな回顧としてではなく、当時持っていた理想への再挑戦ととらえなくてはならない。
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