大岡昇平『成城だより』の続きを読む。
1980年4月3日。
平野謙の三回忌。仏事には出席せず。平野が75年に癌で入院した時、こっちは白内障手術で入院したことがある。
『レイテ戦記』補遺を書きたい。
史実記述の正確性を追求した三田村鳶魚と、物語性を追求した直木三十五の確執話。
4月6日。
老人は近所の桜がいつ咲くかを知っている。
井上靖を資料改竄で少し非難しているが、「洪水」は傑作と褒めている。(# 読みたい。)
司馬遼太郎の読者は、高度成長下に増加した中流階級。サラリーマンの程度に合わせているのがヒットの原因か。
三田村鳶魚の読者は、右よりの官僚知識層、「日本及日本人」読者。史料発掘と考証に終始。『大衆文芸評判記』や『時代小説評判記』で、藤村、菊池寛、藤森成吉『渡辺華山』にふんまんをぶつける。
4月7日。
『ハムレット日記』?新潮社に訂正稿。
4月8日。
野上弥生子先生は90歳を越えて健筆をふるうが、自分は71歳で雑文しか書けない…
『富永太郎全集』にとりかかる。詩集として考える。中原と吉田秀和の交流。
***
『トーマス・マン日記』の続きも読む。
1951年2月15日。
家を賃貸に出し、ヨーロッパに行く案を考える。
2月20日。
昨日、ジッド死去。第8章を書き進める。口内炎?。喫煙の害だ。
3月12日。
第2部第8章を書き終えた、地勢関連の修正は残る。
***
笠智衆『小津安二郎先生の思い出』(朝日文庫)を読み始めた。
48頁。「言われるままに」
小津は笠に対しては演技をすべて細く演出した。昭和17年。『父ありき』から本格化。ビデオを少し観た。面白そう。
61頁。
表情はナシで「お能の面」でいってくれ。歌舞伎調はきらい。
83員。
『長屋紳士録』(1947年)、得意だった「のぞきからくり」の口上は黙ってやらせてくれた。このビデオも、このシーンまで観た。
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