2021年1月15日金曜日

辻邦生もトーマス・マンも大切な人生の「先生」だ

今日も『トーマス・マン日記』を朝6時から読む。数日前よりは寒気がゆるんでいるので、起きるのは少し楽。

1918年12月。

ミュンヘンの「革命」後だが、日常生活にほとんど戻っている。詩作にふける。歯痛に悩む。子供達の病気にも大げさに悩む。リルケにも会っているが親密になることはなかった。美しい若者への嗜好。クリスマスを家族で楽しく過ごす。可愛いいバウシャンは混血の犬。可愛いいおさな児も。

12月13日。
……晩はトルストイ日記。トルストイはゲーテと並んで、永遠に生き続ける精神のうちで、その生活様式が私をもっとも魅了し、その生活感情が……私の生活感情を直接生き生きとさせてくれる人物である。……(トルストイの)二十三歳の手記……。


***

辻邦生『トーマス・マン』(岩波書店)6-7頁。序文だが、1980年頃書いている?

こうした25年の歳月はトーマス・マンの作品にとって果して幸せであったかどうか。……真の意味で一人の巨大な作家を評価するには、20年、25年という歳月でも不十分であるのかもしれない。……


この本も何回も読み直している。トーマス・マンの読み方、そして物語の読み方を指導してくれた本だ。



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