朝霧。
ポール・オースター『内面からの報告書』の再読を続ける。
第二章は「脳天に二発」。
若い「君」(オースター自身のこと)に影響を与えた映画を2つ取り上げている。
『縮みゆく人間』については、以前このブログで取り上げた。ただし、もっと青春期の「君」に大きな影響を与えたのは、『I Am a Fugitive from a Chain Gang (1932)』だろう。
https://fb.watch/9aULoHAWeB/ (このリンクはいつまであるのかわからない。)
第一次大戦で勲章をもらい帰還した若い軍曹が、戦後の大恐慌のなかで零落しついには刑務所に入れられて破滅していく姿を描く作品。朝鮮戦争やベトナム戦争を身近に感じていた「君」は、将来に明るい希望を見いだせなくなったのだろう。
第三章「タイムカプセル」はもう少し明るいタッチ。元妻のリディアに若い頃書いた手紙が出てきたので、それをもとに当時の日誌を書いている。なぜか、彼は日誌をないがしろにしていた。
153頁。
「日誌は未来の自分に宛てて書いているのだということが見えていなかった。」
これが47年間続く。
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60歳代末からやっと、ブログ上ではあるが、毎日日誌を書き始めた私よりは少し早い気付きと言える。
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以下は、さっきALL REVIEWS(友の会ではない方)のSlackに書いた書評調査に関する文章。これ実現したい。
「丸谷才一は、書評には「藝」が必要としていて身辺雑記が「藝」の域に達していればエッセイ的な書評も認めていたような気がします。文芸評論は完全に書評の仲間に入れているようです。
『蝶々は誰からの手紙』を始めとした彼の書評集たちを精読・勉強して、「丸谷才一にとって書評とは何だったのか」的な文章を作ってみたくなりました。少し時間をとってやってみます。
ところで、この手の書評の話をするチャンネルも作りたいと思っています。ここにおられる皆様のお知恵も拝借したいので……ひとまずは#070_雑談と交流chでやるのがいいですかねえ。」
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