PASSAGE by ALL REVIEWSの書棚(BOOKS HIRO)に出す本はすべて自分の推薦文を付けたい。そこで、まだ読んでいなかった『須賀敦子全集 第7巻』の「日記」を読む。
横書きなのは、イタリア語をはじめ横文字の単語が沢山出てくるからで、その意味で読みやすいと言わなくてはならない。
多和田葉子さんの日記に似ている、いや多和田葉子さんの日記が須賀敦子の日記に似ているのだろう。生き方も。日記のなかでも書いた人の生き方が表現されているものが好きだ。忖度して生き方が読み取れるものもあるが、それでは物足りない。日記に生き方の変化まで書いて欲しい。それでいいのかとこちらに心配させるようなものがいい。
528頁 1971年3月8日の日記
「ホンヤク屋」より「自分で書く」ことを好む。
#須賀敦子の作家への転回点か。
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あと数日かかるので、書棚に入れるのはそのあとになる。
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読書は、鎮静剤。困っている時にも、忙しい時にも、楽しい時にも……自分を無にすることが出来るのは貴重だ。
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夕方、図書館に行き、『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』(シルヴィア・ビーチ 河出書房新社)を借り出してきた。昨日のブログに書いたように、PASSAGE by ALL REVIEWSのあるべきまたはいくべき姿を自分なりに考えるためだ。
訳者(中山末喜 元早稲田大学教授)のあとがきを読んでみておどろいた。訳者は、矢野峰人が比較文学の講義の際にこの『SHAKESPEAR AND COMPANY』が重要な本であると説いたので、この本の翻訳を思い立ったと、書いてある。
それはひとまず置いて、やはり訳者あとがきから、シルヴィア・ビーチのシェイクスピア・アンド・カンパニイ書店をどんなつもりで運営していたのかを垣間見ることにした。
335頁
ビーチが苦心して揃えた骨董品の調度類が、この書店の雰囲気を作る上で助けになっていた……一度書店を訪れた作家たちは、二度目に店を訪れる際には、彼らの友人や愛読者たちを伴ってきたようである。一方、ビーチは書店を訪れるお客たちに対して、自分から積極的に本を買うように勧めることはなかった。しかし、たまたま、お客が本が気に入れば、彼女は、もしその本の著者がパリに住んでおれば、お客にその著者を紹介する労をいとわなかった様子である。
PASSAGE by ALL REVIEWSの一棚店主の皆が、「シルヴィア・ビーチ」になれるといいなあ。
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