「月刊ALL REVIEWS」ノンフィクション部門第20回、武田砂鉄さん×鹿島茂さんを視聴。
武田さんの『わかりやすさの罪』(朝日新聞出版)が課題本だったのだが、対談の内容がいつの間にか「書評論」に変わり、それが素敵に面白かった。これを機会に、書評そのものについて勉強してみたい。その際に、気をつけることは無理に「わかろう」としないことだろう。とりあえず、対談の文字起こしを個人的にやってみる。経過はこのブログに逐次書きつける。うまくいけばnote記事にまとまるかも知れない。(吉本隆明テーマの対談記事に関しては、まだできない―多分5年ぐらいしないとできない―ので大きな事は言えないが。)
とりあえず、書評論で記憶に残ったのは以下。
書評は受け売りを可能にするためのツール(鹿島茂さん)
書評三原則(丸谷才一作)
(1)マクラは三行で書く。
(2)要約はきちんとする。
(3)けなし書評は書かない。
書評の勉強には落語を聞け。(鹿島茂さん)
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静かな朝に読んだのは『荷風と東京 『断腸亭日常』私註』の続き。
89頁。
山の手の子(荷風)は築地から30分歩いて、日比谷公園に行き、読書を楽しむ。「下町」の騒がしさに耐えられなくなった。大正8年10月29日。
90頁。
三味線に興味を失う。オペラがいい。
94頁。
麻布市兵衛町(現在の六本木一丁目、アークヒルズの隣接地)に二階建ての家を借り、ペンキを塗る。ペンキ=偏奇館。
96頁。
大正9年5月23日に引っ越す。以来昭和20年3月10日(東京大空襲)まで25年間偏奇館に住む。
103頁。
『おもかげ』に偏奇館の写真が掲載されているという。早速、国会図書館DLで調べると、119頁にたしかにある。バーチャル本棚の便利さと醍醐味を感じる。ついでに、『日和下駄』も捜して少し読む。楽しい。