2010年7月15日木曜日

すばらしいインターネットの世界

 トーマス・マンの「読書衛生法」というのがあって、執筆(彼の場合小説)する際に、小さな図書館の蔵書に匹敵するくらい参考書を集めて読みまくるのだそうだ。確かに、材料を得たり、典拠をあきらかにしたり、時代背景を知ったり、読書が果たす役割は大きいと思う。また、「書く」ことに疲れた場合、本を読むことは格好の気分転換になるし、思わぬヒントがわくことが多いだろう。司馬遼太郎さんも似たようなことをやっておられたようだ。金のないわれわれ(失礼!わたし)には、今までこのやりかたは無理と思われていた。
 ところがインターネットのおかげで似たようなことが出来るようになってきた。たとえば、ERDとRDBについての解説を書こうと言う場合、チェン先生やコッド先生の原論文は読んでおかないと話にならないが、予算の都合上孫引きですましてきたとする、今は違います、Wikipediaなどからたどれば、インターネットで歴史的な論文を手に入れることが出来る。関連資料も手に入る。すばらしい。内容相互の検索に関してはマン先生に勝てるのではないかと思う。一九七〇年代にコンピュータに関するものごころがついた私には、夢のような世界だ。大げさに言えば、生きていて良かったという感じ。

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