2020年4月30日木曜日

寝たり読んだりで、『ファウンデーションの誕生』を読了


このようによく眠りたい。




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『ファウンデーションの誕生』を、午後読み終わった。




273頁。お決まりの小道具「銀河立体地図」が出てくる。これだけでもワクワクする。欲しい。辺境のアナクレオンとは。

278頁。銀河図書館は広大。みなスキターと呼ばれる移動手段を使って、自動的に目的地へ移動する。これは、今の国会図書館でも欲しいと思う。最も古い職業としての司書へのオマージュ。


281頁。アナクレオンの近くにターミナスという惑星が。

284頁。ワンダは直感で心理歴史学の方程式のバグを指摘。

288頁。精神作用能力が心理歴史学に取り入れられる。革命的。

290頁。2万年前にネメシス惑星とコミュニケートした人がいた。

297頁。医学は衰退している。

298頁。セルダンは銀河図書館近くのアパートに住み始めた。うらやましい。

305頁。第一・第二ファウンデーションのアイディア。第一には物理学者を配置して銀河百科辞典を作らせる。第二では精神接触能力のある心理歴史学者を配置する。


セルダンの死。すなわち、作者アシモフの死。ライフワークとはこのことだ。

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このあと、第一巻に戻って読むか考える。モンテーニュもちょっと読みたくなってきた。

2020年4月29日水曜日

リーマンショックやコロナ禍以上の災厄後の回復方法は…「ファウンデーション」




『ファウンデーションの誕生』、最後に近い。読み終わるのがもったいないという、おかしな感情に捕らわれる。

188頁。セルダン、60歳。誕生日のお祝いパーティーを固辞しようとする。が結局押し切られる。孫娘ワンダ(!)が、不吉な夢をみる。そこに、陰謀が隠されている。

200頁。やっと「ファウンデーション」のことが出て来た。

「最近ユーゴは、ファウンデーション設立の可能性について話し続けていた
……きたるべき暗黒時代をくぐり抜け、より良い新帝国に発展するための“種子”の役目をする……

230頁。タイガーウーマンことセルダンの「妻」が大活躍。陰謀を打ち砕く


233頁。新しい皇帝と心理歴史学プロジェクトの資金のことで口論になる。役に立たないものには金を出せないと言われる。

238頁。またも「妻」が人間離れした大活躍。ひょっとして、まさか、彼女は…

257頁。年老いて、プロジェクトからも引退したセルダン。「銀河図書館」に通うのが楽しみだ。近くに下宿したいと思ったりする(*^^*)

258頁。またもや命を狙われる。「電子浄化器」(?)で。難を逃れるが、「妻」はそのために「命」を落とした。やはり、妻は……だった。

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ところで、アシモフ先生は学者なのだから、「心理歴史学」をもう少し、「科学っぽく」説明してほしいと思った。最も彼には彼なりの思いがあったのだろう。そこを追求してみたい。

2020年4月28日火曜日

「心理歴史学」を実際の政治に応用するには……



『ファウンデーションの誕生』さらに読みすすめる。きょうは114ページまで。こういった肩のこらないSFは昼寝しながら読むのに最適。


セルダンも家族のようなものを持っている。パートナーはずっと彼を助けてくれている歴史学者。ときどき故郷のビリボトン訛りがでてしまう養子もいる。かれを溺愛している。弟子アマリルもいる。弟子にさとされる。

12頁。

今は――現在が未来に変わる時なんです。過去を研究してばかりはいられません。

71頁。

皇帝には、広く読書する時間がない

91頁。

頼りにしていた首相は、その出自が知れてしまったので、帝国を去ることになった。そして後任はなんとセルダン。

102頁。

アナクレオンという地名が出て来た。これ、どこかで聞いたことがある。なんだったかはまだ思い出さない。

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コロナ禍疲れが出てきたのかも知れない。夕方の買い物の帰りに、レストランの店頭でテークアウト品を売っているお姉さんに、「お疲れ様、いかがですか?」と声をかけられて、くらくらした。空腹だったのだろう。

2020年4月27日月曜日

アシモフ〈銀河帝国興亡史〉読書はいよいよ7巻の『ファウンデーションの誕生』へ

『ファウンデーションへの序曲』、最終部分。
430頁。セルダンはワイ市長の娘の発想、「トランターのことだけ考えてクーデターを起こし、他の2500万の世界(惑星系?)には、勝手に任せたい。」に、ヒントを得て、トランターだけに一時近似として心理歴史学を適用し、他の世界からの「摂動」は修正値として後で取り込むということを考えついた。化学や物理を学んだアシモフらしい展開。

431頁。いままで助けてくれていた、ヒューミンの正体がわかった。それを書くと究極のネタバレになるので、やめる。

ラスト。ずっと行動をともにした人類学者と結ばれる。



Internet Archiveでも読めます


『ファウンデーションの誕生』(早川書房 1995年)にとりかかる。出版順に言うと第7巻、最終巻。ストーリーの順序としては『序曲』に続く2番めの話。あらすじ:セルダンの心理歴史学は発展し、銀河宇宙の衰亡後の混乱期を短くするための装置(世界)を用意し、本人は死亡する。

同時にアシモフも亡くなってしまう(T_T)

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最近、食べることに楽しみをみつけた、というより不安を解消するために、食べている。不健康に陥らないようにしないと。まあ、これも修行のうちなのだろう。

2020年4月26日日曜日

1万年前の歴史をたどるのは難しいだろう

『ファウンデーションへの序曲』、昼寝しながら読みすすめる。

実際にはカバーは外して読んでいる


ダール地区に行く。地球の存在したという証拠を見つけたい。地下の熱溜まり(熱電対を使った発電所らしい)での描写は、映画「メトロポリス」を思わせる。参考にしてるだろう。熱電対で発電するアイディアはアーサー・クラークも使っていた。クラークのは海の中なのだが。

レジスタンスとも交渉をもつが、それとは別に官憲とトラブルになり、ダール地区を離れることになる。救いにきた好人物は、絶対にロボットだと思ったがそうではないのかもしれない。

ロボットと言えば、ロボットシリーズに出てくるキャラクターの名前もほのめかされる。ダニールとかイライジャ・ベイリーなど。これらが本当に登場するかはわからない。

救いの手を差し伸べたのは、南極地方の軍事都市ワイの市長の側近…

しかし、ここまで読んでも前回読んだ記憶は、一部の細部描写を除いて、さっぱり蘇らない。記憶力の限界をもちろん感じるが、アシモフの意表をついた展開が為せる業とも言える。だとすると素晴らしい…のかも知れない。

軽いネタバレを繰り返しているが、これなら問題なさそうだ。この数十倍面白いのだから。

2020年4月25日土曜日

見えない敵との戦いには科学と政治の協力が必要だ

5月2日の月刊ALL REVIEWSの課題本、『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』を読み終えた。ただし、途中駆け足で眼を通しただけの部分もある。



ほぼ、100年前、公称よりかなり多い、50万人が亡くなったと著者速水融は書いている。当時は日本の人口は5500万人なので、現在で言えば、120万人が亡くなったということになる。とてつもない話だが、意外にこの大惨事に関する本は少ない。この本は珍しい本である。

他に東洋文庫で『流行性感冒』という当時の内務省衛生課の出した本があるくらい。著者は当時の新聞記事や数少ない記録をもとに、きちんとデータをもとにして、この事件の記述をしている。

スペイン風邪と呼ばれているが、最初は米国の兵営で大量感染がみつかった。当時の技術ではウイルスは、小さすぎてみつからない。まさに見えない敵と世界中が戦った。あるいは、戦えずになすがままにまかせた。

第一次世界大戦があったせいもあるが、原因がわからず死者が増えるだけで自然におさまるのを待つだけだったというトラウマが、この事件を忘れ去らせる主因だったのではないか。

当時も政府はうがいやマスク装着、人混みをさけるなどの対策しか打ち出せなかった。現在のコロナ騒ぎにおいてもまったく進歩していない。

「科学的」に対処していくべきであるが、そのためにもこのようなしっかりした本は大切である。コロナ禍に関しても将来このような本がでるだろうか。少し疑問が…。外国では出るだろう。



月刊ALL REVIEWSのゲストは磯田道史さん。この本の著者の弟子である。面白いお話が伺えそうだ。

https://allreviews.jp/news/4396

2020年4月24日金曜日

アシモフはやはりロボットが好きだなあ

今日もOmmWriterで書いてみる。音はオーディオ装置から流してみる。家の中が静かならこれでもいいかも。

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『ファウンデーションへの序曲』はまだ、長い。

歴史学者と一緒に、「図書館」に行く。古い「帝国百科辞典」があった。美術館のようなものがあった。ロボットの古い絵があった。見ているひまはない。マイコゲンの高位者の家(「エアリー」)に忍び込む。ロボットを見つけた。彼らにとっての「神」らしい。が、「死んで」(動かなくなって)いた。高位者につかまって罪に落とされそうになるが、謎の人物「シャーミン」の助けで脱出する。シャーミンは駆け引きがうまい。

マイコゲンを離れる。髪を隠さなくてすむのがありがたい。

「ロボット」は歴史を知るための手段だったのだが、目的を果たせず、残念だった。しかし、「歴史心理学」を発展させる意欲が湧いてきたようだ。

ここまでで287頁。

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セルダンと同様に政治に対する科学・文化の擁護者として、利休に興味を持ち始めた。手持ちの本でなにか参考になるものがないか考えていたら、『等伯』(安部龍太郎 文春文庫)をおもいついた。下巻の第九章は「利休と鶴松」である。読んでみよう。



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奥様が買い物から帰ってきた。ブログもここまで。


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追加。夜、六角精児の「呑み鉄」を観る。今夜は丹後半島編。伊根の酒とつまみがうまそうだ。
六角精児バンドをYouTubeで聴いた。

2020年4月23日木曜日

異文化を知ることは面白いが苦労も伴う

昨日の朝日夕刊に伊東潤さんの『茶聖』が紹介されている。秀吉と手を組んで「文化」のちからで戦争のない世にしようとした利休だが、秀吉の権力欲とぶつかって、関係が悪化するところを書いた作品ということだ。末國善己さんの書評だ。




今読んでいる、『ファウンデーションへの序曲』の部分では、まだ若いハリ・セルダンが、「心理歴史学」という理論で人類の暗黒期を短くすることを考えるまえの、修行期が描かれている。やはり皇帝派とぶつかる。これは現実世界でアシモフの考えていたこととどうからむのか。彼が執拗に追求した「科学読物」、「科学解説」の書かれた理由はそこと関係あるのか。

これを読み終えたら、利休の本も読んでみたいが、とりあえず、ハリ・セルダンを追ってみる。

だんだん、セルダンには「古代世界」マイコゲンの文化がわかってくる。宗教が大きな役割をはたしていそうだ。「本」を苦労してマイコゲンのひとから借りる。ドースとともに驚いたが、「本」はまったくビデオ化されていない。「印刷」された古めかしい本だ。スイッチにふれると、各行が順次見えるようになっている。マイコゲン語か銀河標準語かは選べる。

「特別に意義のある建物…一種の神秘的価値があって…」それは「寺院」のことか、その単語はしらなかった…という意味の二人の会話もある。そして言葉は廃れているが、実際の「寺院」はあった。

個人的には247ページの「部族図書館」が興味深い。「部族」とはマイコゲン以外の「野蛮」な外国人のこと。その「ブックフィルム」や「本」が収められている。一般には閲覧は許されていない。たとえば、「猥褻」な「頭髪などの毛」もそのなかで見られるからだ。ちなみにマイコゲン人は思春期に全身脱毛をする。



随分迂路をたどっているが、理論を完成させるには歴史のことなるいろいろな文化を知ろうとする、こんな苦労があると、アシモフは言いたいのだろう。これを書きながらも、アシモフ自身もいろいろな偏見とたたかう毎日だったと思う。

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2ヶ月ぶりで床屋に行った。コロナ禍で髪が「猥褻」なほどにボサボサに伸びていたので、終わったらスッキリした。次に床屋に行くときは心置きなく行きたいものだが、「それは難しいだろう」というのが、床屋さんと二人で出した結論。

2020年4月22日水曜日

OmmWriterを使って文章書きに集中

OmmWriterを買ってみた。6ユーロ強。Mac上の「環境エディター」だ。オシゴトの環境を変えるためだ。最近文章を書く時に特に感じる、落ち着かなさをなんとか出来ないかと思った。

起動すると全画面になる。他のウィンドウが見えないので、書くことに集中することになる。そのかわり参照をしながら書く場合には使えない。その場合は他のエディターいままで使っていたOnlineのWriterを使うべきだ。

背景画面はいくつか選べる。BGMも選べる。無しにも出来る。キータッチのときに出る音も変えられる。BGMは自然音を選んで、キータッチ音は水滴が落ちる時のような音にしてみた。水琴窟の音のようだ。

使用時はイヤフォンを使うのが推奨されている……



確かに集中できる。しばらく、これを(も)使ってブログを書いてみることにする。

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『ファウンデーションへの序曲』、少し読み進めた。ハリ・セルダンは大学も安全でないと感じ、トランターの「古代地域」、マイコゲンに行く。古代からの歴史を知り、「心理歴史学」の理論の確証を得ようとする。マイコゲンの人々が迷信を色濃く残しているのが面白い。ハリ・セルダンはマイコゲン人の見解を「超自然的」という言葉で表現するが、一緒に行った友人は「宗教的」という「古い」言葉を使う。

その後の議論で、ハリ・セルダンは「未来の総合的な予言は統計的」だと言う。これが「心理歴史学」。化学の教授だったアシモフは理想気体の分子運動を参考にしているという。統計熱力学的なもの。

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Keep内の記事の検索がうまく行ってない。とりあえず、記事にラベルを貼ることにする。

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最近の医学はすごい。あるひとに見せてもらったが、超音波画像で5ヶ月胎児の顔がはっきりと見える(*^^*)

2020年4月21日火曜日

現実世界でも物語世界でも危機管理は最重要になってきた

今週末にマンションの管理組合理事会を予定していたが、当然ながら、中止とした。在宅勤務中の管理会社の担当者さんと相談し、紙ベースで連絡と相談を行うことにした。本当はZoomで会議したいところだが、まだ時期尚早。

今後この状態が続くようなら、(多分続くだろうから、)なにか対策をとらないといけない。まずは管理会社のホームページでインフラだけ用意されている理事会システムの活用を考える。

一方、状況が悪化し、完全な外出禁止といったの状況も考えて、緊急体制も考えなくてはならない。地域の自治会との連携も視野に入れる。

この30年間、防災訓練を一回しかやっていないので、茨の道になりそう。杞憂となればいいのだが。

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気分転換のためもあり、『ファウンデーションへの序曲』を読み続ける。二日目。174頁まで進んだ。

この巻の主人公、そして全体としても最重要な役割を果たす、ハリ・セルダンの若き日を描いている部分。まだ、若く、自分の考え出した「心理歴史学」理論の重要性に気づいていない。周囲はそれに気づいて自分の陣営にハリ・セルダンをなんとか取り込もうとする。または危害を加えようとする。皇帝派の手を逃れ、治外法権の大学内に逃げ込む。

ハリ・セルダンを描くにあたって、多分著者アシモフは自分自身をモデルとしている。田舎であるヘリコン(ロシアのことだろう)から、文明の中心トランター(ニューヨークだろう)に出て来た、世慣れない若者が、どうして後世を左右するような仕事ができたのか。

この本はかなり前にしっかり読んだつもりだったが、100ページ目くらいまでは、まったくそう思えなかった。地下生活ばかりのトランターの地上(屋上)で、雪のため遭難しそうになる、『魔の山』を思わせるが、ともかくここで以前読んだ記憶を取り戻した。読書のスピードは上がったが、ワクワク感は薄れる。でも仕方ない。まるっきり思いだせなくなったらヤバい。

2020年4月20日月曜日

アシモフの考えた「心理歴史学」で未来を占う

『ファウンデーション』邦訳版全7巻のまえがきあとがきを読んでみた。
私の所蔵している書籍とそれぞれで読んでみたもの。

1.『銀河帝国の興亡 1 (FOUNDATION 1951)』(1968 東京創元社) 解説(石川喬司)〈ファンデーションシリーズ 三冊〉の紹介。

2.『銀河帝国の興亡 2 (FOUNDATION AND EMPIRE 1952)』(1969 東京創元社)

3.『銀河帝国の興亡 3 (THE SECOND FOUNDATION 1953)』(1970 東京創元社)訳者(厚木淳)の解説、「レンズマンシリーズ」との対比。

4.『ファウンデーションの彼方へ(FAUNDATION'S EDGE 1982)]』(1984 早川書房) 著者あとがき。ファウンデーションシリーズ以外の作品群との関係。

5.『ファウンデーションと地球(FAUNDATION AND EARTH 1986)(1988 早川書房)著者の「まえがき」。ファウンデーションシリーズ執筆再開の裏話。

6.『ファウンデーションへの序曲(PRELUDE TO FOUNDATION 1988)』(1990 早川書房) 著者の「まえがき」。作品を「年代順に」並べてみている。

7.『ファウンデーションの誕生(FORWARD THE FOUNDATION 1993)』(1995 早川書房) 牧眞司さんの解説。アシモフが亡くなったことを伝える。この解説の直前にハリ・セルダンの死の記述がある。このとき死をさとっていたアシモフ。

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こうして並べてみると、『スター・ウォーズ』シリーズの構成は、『ファウンデーション』シリーズの影響を受けていることがわかる。

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今回は、「年代」的に古いものから読んでみることにした。つまり第6巻『ファウンデーションへの序曲』から。
「心理歴史学」を使って「ファウンデーション」に帝国崩壊後の復興を託した、ハリ・セルダンの活躍ぶりがおもしろく、昼寝がてら、30分で50頁以上読んでしまった。


2020年4月19日日曜日

『銀河帝国の興亡(ファウンデーション)』は未来予測の参考書になるか?

コロナ禍後の世界を予測するのはまだ早いが、気分転換にはなるので、A. C. クラークやアシモフの本を出して少しずつ読んでみた。クラークのは気宇壮大すぎて、今の気分ではついていけない気がした。アシモフのほうが少なくとも、「人類」の未来を語っているので、1万年後の話ではあるが、ついていける気がした。



積読解消になるので、『銀河帝国の興亡』7冊を読んでみることにする。正確には40年前から少しずつ読んではいた。しかし複雑な筋で登場人物も巻ごとに入れ替わるので、内容は正確には覚えていない。やはり積読本。

せっかくなので、Internet Archiveで英語版も冒頭だけだが見ようと思い、捜した。

大ベストセラーだったので、いろいろな版が借り出せる。なるべく古そうで、しかも印刷がなるべく鮮明なのを捜した。
これなど良さそうだ。



後で重版がかかったときアシモフが書き添えた序文(本文より序文のほうが文章がやさしい)がおもしろい。キャンベルのすすめで最初の3巻を書いた後、30年ほど経った後4巻以降を書くときの話。1981年にダブルデイ社の辣腕編集者が、もう小説は書きたくない、百科事典をひっくり返しながらひきこもってノンフィクション(科学解説本)を書くほうが楽だとごねるアシモフを説得する。前渡金(アドバンス)も15倍以上出すと。当時の5万ドなので大きい。さすがにアシモフも書く気になる。



この話はどこかで前に読んだことがあると思ったら。
以前読んだ『 I.ASIMOV 』に書いてあった。464頁。
https://hfukuchi.blogspot.com/2016/12/blog-post_7.html



ところで、『銀河帝国の興亡』で起きた災厄は原子力発電所の爆発やそれをもきっかけとする反乱(?)だった。滅亡する帝国の文明の成果を後代に保存するために、「ハリ・セルダン」が「心理歴史学」を駆使して銀河系の両端の辺境に性格のちがう惑星国家を設置しておくという話だったような気がする。災厄後の復興はどのようなものだったかという観点で読み直してみたい。

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Internet Archiveは著作権が切れていない書籍も、貸し出しという形でだれでも読めるようになっている。物理的な本は古本などで購入しているのだろう。保有する本の冊数分が貸し出し対象だ。資金があればこんなことが出来る。日本でもどこかでやって欲しい。ブックオフみたいなところが金をクラウド・ファンディングで集めてやらないだろうか? どこでもいいので、やって欲しい。国会図書館は流石に無理だろうが。

P.S. 上記の版本は私が借りているので、あと13日間読めません。他のを借りてください。

2020年4月18日土曜日

「高橋源一郎の飛ぶ教室」を聴いてサローヤンを思い出した\(^o^)/

「高橋源一郎の飛ぶ教室」という番組を、金曜日夜、NHKラジオでやっている。くだけた感じで良い本の紹介をしてくれるので時々、「聴き逃し」で聴いている。昨日放送分を、今日の午後昼寝しながら聴いた。(「聴き逃し」で聴けるのは一週間のみらしい。)

https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=6324_01

おもしろくて、起き直ってしまった。紹介された本は『霧中の読書』(荒川洋治さん みすず書房)で、おかげで読みたくなった。Amazonで調べたら一時的売り切れ状態。「飛ぶ教室」の放送の効果だろう。これはあとで手に入れることにした。

放送のなかで、高橋源一郎さんが読み上げたところ(書評部分)に興味をひかれて、起き直ったのである。その本の内容は大戦中にカリフォルニア、イタカに住む少年の物語。登場人物がすべて善人ばかり。

書名はあかされなかったが、これは昔読んだことがあると思い当たった。すぐには出てこなかったが、しばらく考えて、サローヤンだろうと見当をつけた。

昔、なにしろ高校2年生のときに、担任だった小林先生が使った「リーダー」の教科書に、サローヤン(サロイヤンと発音していた気が…)がとりあげられていた。小林先生の口癖は「リサイタルやるか?」で、サボったりすると、次回までに教科書の1ページを暗記させ、一人で暗唱させる。勉強にはなるので、良いことなのだが、やらされるのは大変なので、できるだけサボらないようにした。

サローヤンの訳書は手もとにない。買ってないかもしれない。該当しそうな本をInternet Archiveで捜した。My Name Is Aramではなく、Human Comedyの方だった。確かにいい人しか出てこない。サローヤンの人柄の為せる業だろう。少しだけ読んでみた。



ほのぼのとして、この時期に読むには最適。そして、高校生でもなんとか読めたくらいだが、非常にわかりやすい英文だ。挿絵もすばらしい。

なつかしい本を思い出させてくれた、高橋先生と荒川さんに大感謝だ。



もうひとつ。高橋先生が拘置所に入っていたときに、よく本が読めた…という話にもうなずいた。われわれも今、拘置所に入っているようなものなので、たくさん本を読みたい。


2020年4月17日金曜日

40年前の百科事典で遊べるのも蟄居のおかげだ





昨日に続き、『万有百科大事典』を使って遊んだ。先日、月刊ALL REVIEWSで「論語」対話を現地で聴いた時、鹿島先生と出口先生が澁澤榮一の経済面の思想に影響を与えたとおっしゃっていた、空想社会主義者サン・シモンのことを調べてみた。

まずは『(総合)索引』で、「サン=シモン」を捜す。この百科事典の索引は人名の場合、かんたんな説明がある。ここでは
フランス 1760-1825 空想的社会主義者。産業者と科学者の支配する新社会建設を唱えた。

としてある。
簡便な人名事典になっているわけだ。そのあとに、ジャンル別に用意されているどの巻のどの頁にサン=シモンの見出し項目があるかが書いてある。ここでは4巻(哲学宗教巻)218頁、9巻(世界史巻)252頁。などとなっている。

他に参照すべき項目、「空想的社会主義」に関し、12巻(経済産業巻)241頁、と11巻(政治社会巻)「社会主義」の項目内の図版を参照しろと指示がある。



これら小項目と大項目を丁寧にみて行くとサン=シモンについての立体的な知識が得られる。これはなかなかうまい工夫といえる。



実は、この『万有百科大事典』の前に、平凡社の『国民百科事典』が家にはあった。少年時代には、これを暇に任せて読んでいたものだ。本当は『世界大百科事典』にあこがれたが、読むという目的のためには全7巻の『国民百科事典』のほうが良かったのだろう。

『万有百科大辞典』は『国民百科事典』が火事で焼けてしまったので、父が買い直したらしい。私は大学や就職で家を離れたのであまり読まなかった。今回始めてじっくり目を通したというわけだ。新しい(!?)ものは改善されている、索引がその最たるものだ。この『総合索引』を作るにあたっては、百科事典としてははじめて本格的に電子計算機の助けを借りているという裏話が、索引巻のあとがきに書いてある。



せっかくなので、この索引の内容がデジタルで手に入ると便利だが、まだ見つけていない。ないのかもしれない。

現代の百科事典はもちろん、全部デジタル化されており、画面上で簡単に上記のようなことが出来る。



しかし、この写真のように、何巻も広げて並べて読み比べる方が、理解が深くすすむような気もする。記憶力が衰えた老人の戯言だろうが。

***

ところで、

コロナ禍のなかで皆が恐れているのは、罹患や経済の停滞だけでなく、これからの世界の様相がまったく変化してしまい、自分だけが取り残されてしまうかもしれないということではないのか。未来を予想するにはSFを読むのが最適だと思うが。

2020年4月16日木曜日

積読の解消は順調、今日は数キログラムくらいはかどった\(^o^)/

以前、放送大学の聴講生だったことがある。この科目を受講した。『宇宙・自然システムと人類』。講師のお一人が海部宣男先生。昨年4月13日に75歳で亡くなられた。

https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009347680-00


今年4月からの『天文月報』に海部先生の「ロングインタビュー」が連載されている。(今回の騒ぎの影響で、最新号もインターネット公開されているのだ。)
http://www.asj.or.jp/geppou/

それを読むと、子供の頃からの読書談が含まれていて、そこがオモシロイ。子供向けの科学分野の図鑑類、『シートン動物記』や『ガモフ全集』、サルトルなど、自分の趣味と一致していて懐かしさも覚える。先生とは5つ違い、年代も近い。

***

運動を兼ねて、部屋の模様替えというか、本の配置換えをおこなった。数年前に父の遺品としてもらった『万有百科事典』を、閲覧しやすいところに引っ張り出した。究極の(大げさ)積読解消。一冊2キログラム近い書物20冊なので良い運動になった。



これも昔読んだ『アシモフ日記』のなかで、アシモフ先生が新しい仕事部屋に父譲りの百科事典を置いて悦に入るというくだりがあった。
https://hfukuchi.blogspot.com/2018/07/blog-post_26.html

もちろん、百科事典は飾りにするのでなく、アシモフ先生のように、過去の基本的知識の整理のために活用するつもりだ。『万有百科大事典』は1970年代前半に出たので、たとえば「村上春樹」は載っていない。「カート・ボ(ヴォ)ネガット」はかろうじて載っている。そんなものだ。限界をわかって使えば問題ない。

***

今夜、全国に緊急事態宣言が出た。そして、国民一人一人に10万円を現金給付すると言っている。

***

今夜は、鶏もも肉で甘酢丼を作った。旨い。


2020年4月15日水曜日

「隠者の文学」をキーワードとして記憶をたどってみた



たまたまなのだが、『辻邦生のために』(辻佐保子 中公文庫)をめくってみたら、25頁に

八四年に、コレージュ・ド・フランスで「隠者の文学」について講演をする…

とあった。これを五年ほど前に読んでいたので、昨年秋に古本屋さんの店頭で『陰者の文学』(石田義貞)を買ってしまったのだろう。おもしろい潜在意識(実はかすかな古い記憶)の導き。

そこで、記憶を補助するために書いてある自分のブログを検索してみるとこんな記事があった。
https://hfukuchi.blogspot.com/2017/11/blog-post_9.html

これらをきっかけに、今朝見つけた論文(クリックするとpdfがダウンロードされますのでご注意)
『辻邦生とパリ――1984 年~ 85 年パリ第三大学における日本文学論講義史料を中心に』によると、


…パリ 講義と講演 草稿 一九八四-八五年Ⓢ」と妻佐保子の筆跡でペン書きされている。表紙には、縦書きで「1 隠者の文学// 2 Le romancier face à ses personnages / 3 日本の美の根底にあるもの/ 4 日本の批評の現状 (1984-85)Ⓢ 」と佐保子の筆跡で書かれており、…

辻邦生の講義甩タイプ原稿の冒頭は
Je vais vous donner un cycle de sept conférences portant le titre “ De la vérité de la littérature de la vie cachée - la parole à l’épreuve de la solitude : Saïgyô et Bashô. ”

とあるので、私としても西行と芭蕉の関連は勉強しなくてはならない。

2020年4月14日火曜日

『隠者の文学』の次は、昭和40年代から積読状態の『蕪村俳句集』を読む



『隠者の文学』の残りを読んだ。

「連歌」。

当時(1500年前後)は大変な流行だった。心敬は「一天に満てり」といったほどだった。ところが、その後は「荒涼をきわめる沙漠」となっているという。

連歌は連句に道を譲った。哀しさを歌い合うのでなく、さとりを求める人の性なのだろう。

「茶」。
「わび茶のもつ不明な荒地も、隠者文学・芸道の考え方を取り入れることによって、ある程度まで、開拓できる…

***

ある、データベースサイトで故郷のパノラマ図を見つけた。かなり有名な吉田初三郎が描いたものだ。
これを見ると瞬時に、子供のころの思い出が、くっきりと蘇る。
https://iiif.nichibun.ac.jp/YSD/detail/004819710.html

ともかく、この公開データベースは素晴らしい。「国際日本文化研究センター」http://db.nichibun.ac.jp/pc1/ja/



西行の和歌のデータベースはないかと検索していてここを見つけた。

和歌の他、連歌や連歌連想語彙もある。他にも貴重なデータベースが盛りだくさん。すばらしい。



でも、色々見ているうちに、『蕪村俳句集』(潁原退蔵編注)を先に読もうと思い立って、岩波文庫本を出してきた。

これは青空文庫で校正まち。はやく出ることを望みたい。
https://www.aozora.gr.jp/index_pages/list_inp1457_1.html

『蕪村全集』(潁原退蔵編)はここで読める。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1018320


『西行全集』もここ(国会図書館デジタル)にあるが、インターネット公開になっていない、見たくても休館中(T_T)


2020年4月13日月曜日

『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞)で西行、長明、兼好を学ぶ



『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞 1968年 塙新書)の内容メモ。昨日の続き。

隠遁者の例として、西行、長明、兼好がかなりの頁を割いて論じられている。

西行。(112頁〜)

あはれいかに草葉の露のこぼるらむ秋風たちぬ宮城野の原 
さっそうたる詩人西行…詩人なのか隠者なのか…かれを出家させたのは…無常をするどくとらえた詩人性…
風になびく富士の煙の空にきえてゆくへも知らぬわが思ひかな
六十九歳で陸奥へ旅行したときの歌で、慈円の『拾玉集』によると「是ぞ我が第一の自讃歌」と、西行みずからが言った…

125頁。
隠遁者としての西行の内部生活…無常…さびしさ…従順…感傷性…自然との関係…美的安心…

140頁。
(西行の)内部的の研究に情熱が注がるべき…

長明(142頁〜)
153頁。長明的隠遁。

長明は、社会的・人間的なもののすべてをすてながら、自己個人の現実的生だけは固執した。自己の生物的生命と、それにともなう内的愉悦をである。

兼好(158頁〜)
中世的無の思索にたえる骨ぶとの哲学者であるとともに、繊細な直覚をもつ文学者…

162頁。
山林の隠者から市井の隠者に変わる…


164頁。
隠遁の第一の要件…その底に無常をもつこと…第二の要件…信仰と美とをもつこと…第三…孤独を愛し閑寂を求める…兼好は…十分すぎるほど具備…

170頁。
西行は自然だけを見、長明は自己だけを見、兼好は人間だけを見ていた。



残りは「連歌」と「茶」。

***

朝から大雨だったが、かえってその方が空いているだろうと、かかりつけ医のところに定期診断を受けに行ってきた。案の定、開始時間ぴったりに行ったが客は私だけ。薬はいつもより多く出してもらった。

雨は終日ふり続いた。しかも寒い。

2020年4月12日日曜日

『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞)は今読むのがふさわしい

『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞 1968年 塙新書)を読み始めた。面白くなり、半分以上(144頁まで)進んだ。


上はいま手に入りやすいと思える講談社学術文庫版の書影。

私が購入したのはこれ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B000JA57QS/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_RtPKEb4RNKT43

この本は、昨年秋ALL REVIEWSのオフ会で神保町に行った時、どこかの古本店頭の均一本棚で買ったと思う。
石田義貞の経歴がすごい。1890年生まれ。苦学したあと、かなり高年齢になってから昭和女子大教授になった。

中世隠者が多く登場する。隠者のおこないのうち、美の追求を伴うのが隠遁であると、石田義貞は書いている(ようだ)。隠居老人を目指す私には良い行動の指針だ。したがってメモをとって勉強してみることにした。

隠遁を考えるための「参考書」がたくさん例示される。たとえば……

10頁。『撰集抄』。人間を捨て、結果として号泣に満ちているのだと。当初、西行の自作と思われていたが、後には西行を仮託した作品だと言われているらしい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%92%B0%E9%9B%86%E6%8A%84

なお、同じ10頁にマックス・プランクが量子論を考える上で「人間離脱」(つまり常識からの離脱)が必要だと述べているということを挙げている……(*^^*)。



18頁。「隠者ということばの使用範囲」は以下のとおりだそうだ。なかなか好ましい分類。
A類。世間を捨てて仏教信仰にはいる。
(1)聖(ひじり)
(2)隠遁者
(3)俗に近い遁世者
B類。正業をすてて芸道にかくれ、または自由の逸民となるもの。
(1)主として芸道にかくれる
(2)世のすねもの、あぶれもの、遊び人、やくざ、博奕打、河原者等

Aの例。
19頁。『源家長日記』の慈円の項。僧侶もさらに隠遁。
西行のことば「すてたれどかくれて住まぬ人になればなほ世にあるに似たるなりけり」つまり隠れることが必須条件だ。

『徒然草』の「京に具覚坊とてなまめきたる」遁世者。「信濃前司行長」。

Bの例。
20頁。同朋衆。連歌師。茶人。西鶴の『近世優隠者』のやくざ、遊びにん。



隠者文学。(21頁)
広義の隠者文学:広範、折口信夫は中世文学すべてを隠者文学と考えた。『女房文学から隠者文学へ』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000933/card46958.html

22頁。狭義の隠者文学は隠遁詩人によるもの。「隠の生命がみずからを表現した文学」。その三様式は……
(1)西行様式。対象は大自然・万有・存在。
これはその後、隠者文学芸道の主流として継承される。
(2)長明様式。対象は自己の生活。
心敬の『ひとりごと』、宗長の『宇津山記』、芭蕉の『幻住庵記』・『嵯峨日記』に継承される。
(3)兼好様式。対象は人間生活。
ほとんど継承されていない。

2020年4月11日土曜日

頭のどこかでCOVID-19のことを考えている(T_T)



『芥川龍之介全集 2』(春陽堂書店 1967年)を今朝、出してきた。古い本なのに、まだ美しい。中性紙を使っているようで、頁も真っ白のまま。なぜ、出してきたかは、下記。

芥川の「スペイン風罹患」時の小島政二郎宛のハガキがTwitterで紹介された。


『芥川龍之介全集 2』699頁に掲載されている。その後の書簡を読んでいると「インフルエンザ」は何度かぶり返して芥川を悩ませたようだ。ハガキに俳句を書き添えるやり方が心憎い。



ところで、この全集は生まれてはじめて自分で買った全集もの。高校生の時だ。買うきっかけは、国語の教科書。国語に限らず教科書や先生にはお世話になっていたと思う。

***

水漏れを気にしながら、トイレで新聞を読む。

今日(土曜)の朝日新聞読書欄で気になる本をいくつか見つけた。こんなときは新聞を購読していてよかったと思う。デジタルにない良さ。

『遅いインターネット』(宇野常寛 幻冬舎) 書評は清田隆之。
書評で著者の考え方はよく分かった。
これは書評としては問題か、いや名書評か。

『航空の二〇世紀』(高田馨里編著 日本経済評論社) 書評は生井英孝。うむ、読みたい。
http://www.isc.meiji.ac.jp/~transfer/book/book_006.html


『河口慧海』(高山龍三 ミネルヴァ書房) (広告)

考えた。

本の読みたさ度。
A。即刻絶対読みたい。
B。読んでおきたい。
C。図書館などにあればいい。
D。関心がない。

読書欄に載った本の99%はD。
上の三冊はB。これらをひとまず読むと、AかCに変わるだろう。サイレントナイト、ホーリーナイト♪。



水漏れは、以前より多くなったので、タオルでなく、缶をおいて水受けにする。3時間あたり100mlくらいか。一箇所近くにたれてくるので、広がるよりは、始末が良い。
水量を計った上で、水圧の調節やウォッシュレット電源断などの対策を考える。

有効な対策は問題に関するデータや事実を集めないと出てこない。コロナも…

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ALL REVIEWSスタッフとしてはこの記事は哀しくもオモシロイ。
https://book.asahi.com/article/13284091

2020年4月10日金曜日

生きているうちに良いレコードを聴きこみ、良い本を読み込みたい

Mireille MathieuのLPを今日も2枚聴いた。

Folle, Folle, Follement Heureuse
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https://www.discogs.com/ja/Mireille-Mathieu-Folle-Folle-Follement-Heureuse/release/8832700



La Vie En Rose

https://www.discogs.com/ja/Mireille-Mathieu-La-Vie-En-Rose/release/13446693

昨日の2枚は、学生時代に買ったが、随分繰り返し聴いた。今日の2枚は就職してすぐ買った。忙しかったせいであまり聴いていなかったようだ。新鮮な気持ちで聴けたが、せっかく買ったのに残念とも言える。本で言えば積読状態。レコードは(実は本も同じなのだが)聴き込まないと、良さがわからない。いままでのレコード・コレクションの多くををこのような「聴き込んだ」状態にまでするには莫大な時間がかかるだろう。

本に関しても「読み込んだ」状態にすべき本は数多い。人生で残された時間は必ずしも多くない。集中と選択が必要だ。

***

夕食の支度中――今夜はカレーにしたのだが――包丁で指を切ってしまった。数週間前にもやったのだが、最近こんなことが多くなってきた。老いのせいとは言いたくないが、こまかい運動神経が衰えているような気がする。そう思うと気が滅入るので、外出が減ったのがいけないということにしておきたい。

2020年4月9日木曜日

愛聴盤はMireille MathieuのLP2枚

コタツを片付けた。昨日からLPを久しぶりに聴き始めたが、Mireille MathieuのLPを探し出すための部屋の整理の一環として…。

LPは数百枚あるが、多くは友人たちから譲り受けたもの。しかし、やはり繰り返して聴きたくなるのは、自分で購入したものである。

https://www.discogs.com/ja/Mireille-Mathieu-En-Direct-De-LOlympia/master/462807




https://www.discogs.com/ja/Mireille-Mathieu-Mireille-Mathieu-/release/15075078


今日聞いたのは上記の二枚。学生時代に買った。発売は1968年と1969年。何度も何度も聴いた。友人たちとも聴いた。フランス語の勉強と称してテストの前にも聴いた。おかげで、rの発音は巻き舌になった。歌詞対訳の紙が入っているので、唄を聴きながらそれを眺めたので、単語の勉強にはなったようだ。愛とか夢とか空とか波といったコトバが自然に記憶できた。

そして、フランスという国に行ってみたいと思うようになったが、結局、実現できたのは定年を過ぎた40年後。

Mireille Mathieuの唄い方も気に入った。小柄なのに美しい声を張り上げて歌う。当時の日本人歌手で言うと藤圭子のようだと思った。その後、カラオケに行き始めた頃、自分でも思い切り声を出して歌うようになったのは、彼女らの影響だろう。

そして、これらのLPに収録されたほとんどの曲には、なにか深い思い入れがある。何度聴いても飽きない。飽きないどころかいまだに感動する。Ecoute Ce Criとか、Quand On Revientは涙なしに聴けない。

2020年4月8日水曜日

支離滅裂日記(今日に限らないが)

緊急事態宣言発令一日目。外出の8割を自粛せよとの指令だが、もともとほとんど外出してないので減らしようがない。東京や神奈川で一日あたりの感染者数増加の最高値。真面目に考えると暗い未来しか思い浮かばない。気分転換が必要だ。

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まず、漢字検索のサイトで遊ぶ。
https://mojikiban.ipa.go.jp/



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ついに、LPを聴き始めることにしたが、レコードを引っ張り出すには体力が必要。レコードラックの前にレコードを詰め込んだダンボールがあり、そのまた前にコタツがある。とりあえず、数枚だけ、昨年取り出しておいたものを聴く。




一年前に聴いたはずののLPの表面についた指紋にカビが…

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しずこころなくはなのちるらん




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この方の講義ビデオはおもしろい\(^o^)/



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植草甚一さんのことを語った番組を、「聴き逃し」で視聴。小野文惠アナが、『僕は散歩と雑学が好き』を読んで、さっぱりわからなかったというのにオドロイタ。やっぱり「古い」と感じるらしいし、知らない本の引用が多くて興味が湧かないのだ。
高橋さんが噛んで含めるように説明をしているのが面白かった。



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今の気分と同様、落ち着きのないブログとなった。

2020年4月7日火曜日

今春看又過 何日是歸年

今日も、ミレイユ・マチューの唄をいろいろ聴く。なかでも好きなのはこの唄。


歌詞はこれ。

Quand on revient
Aussi beau qu'il soit
Le pays d'où l'on revient
Mon Dieu, qu'il fait bon chez soi
Quand on revient
On voudrait chanter
Le cœur ne sait plus très bien
S'il doit rire ou bien pleurer

L'avion va se poser
Et malgré mes valises
Gonflées de souvenirs
J'ai le coeur qui se brise
En bas, je vois serrés
Autour de ses églises
La France où je suis née

Quand on revient
Aussi bleu qu'il soit
Le ciel bleu d'où l'on revient
Il fait toujours beau chez soi

J'ai dans mon passeport
Des buildings et des plages
Les hôtels et les ports
Tapissent mes bagages
Mais parmi tous ces noms
Se détache une image
Mon vieux pont d´Avignon

Quand je reviens
Aussi grand qu'il soit
Le pays d'où je reviens
Mon Dieu, qu'il fait bon chez moi
Qu'il fait bon revoir enfin le pays
Où m'attendent mes parents, mes amis
C'est le plus joli pays
Quand je reviens

( https://lyricstranslate.com を少し修正。)

名声を得た後に、なつかしい故郷アヴィニョンに帰るミレイユの喜びがリアルな形で伝わってくる。



以前、アヴィニョンには宿泊したことがるが、TGVを使って街についた時、この唄を思い出して、なんとも甘酸っぱい気持ちになった。街を歩き回っても同じだった。

このブログの過去の(今日のも交じるが)アヴィニョンに関する記事はここにある。

また行きたい。

***

緊急事態宣言が東京・神奈川などに出た。外出を自粛せよと言っているが、こちらは先月から自粛中。外出は食料品の買い出しと通院のみ。これ以上削りようがない。

あとは好きな音楽でも聴いて、本を読み、心静かに暮らすしかない。

2020年4月6日月曜日

“Oui. Je crois”

ミレイユ・マチューの「自伝本」を取り出してみた。昨夜から、彼女の唄をまたまた聞き始めたからだ。彼女とは50年以上のおつきあい。



“Oui. Je crois qu'une vie ça commence avec un mot d'amour”

昔、と言っても2017年12月に中古で買った。出版は1987年。

MIREILLE MATHIEU avec la collaboration de JACQUELINE CARTIER
と書いてあるので、ライターが付いていたのだろう。デヴューしたての頃の記述を捜す。


180頁のつぎのグラビア。痩せた小さい少女が直立不動で、少し笑みを浮かべながらマイクの前に立っている。19歳のミレイユ・マチューだ。
以下はその写真のキャプション。

Roger Lanzac me présente, le 21 novembre 1965, au Jeu de la chance de Télé-Dimanche. J'ai dix-neuf ans, le répertoire de Piaf ( Jézebel ) et douze frères et sœurs. A la répétition, il m'a dit que j'étais une comique. C'est vrai que je riais beaucoup, si contente d'être là!
貧しい少女が、初めてパリに出てきて、テレビ番組に出て、嬉しくてしようがなかったのだろう。このあと、彼女の熱唱の快進撃が続く。今でも止まっていない。


***

フランス語の入力に手間取った。ここを参考にした。

http://inforati.jp/apple/mac-tips-techniques/system-hints/how-to-use-special-characters-and-symbols-keyboard-shortcut-with-macos.html

2020年4月5日日曜日

年年歳歳花相似 歳歳年年人不同

桜は例年のように美しく咲いている。人間は閉じこもっているが、かえってより美しく感じる。


***

今朝見つけた、国会図書館の遠隔研修のページが役に立ちそうだ:
https://www.ndl.go.jp/jp/library/training/remote/index.html

国立国会図書館では、各種図書館の職員を対象に、YouTubeの「国立国会図書館公式チャンネル」で図書館および図書館情報学に関する研修を動画で提供しています。

「動画で見る資料保存:簡易補修 6/6」、これはすぐ役に立ちそう。
https://www.youtube.com/watch?v=UmmBRe5KRNE&list=PLXvKjMC1JnVvrSqPUKKzKPqlRDY8X0wIe&index=6

***

『屋根の上のバイリンガル』(沼野充義さん 1988年 筑摩書房)を読んだ。



131頁。お若い頃の回想で、ごく単純な表現を翻訳するのに何時間も考え込む日々が続いた、とある。ロシア語やポーランド語の場合、この傾向が強かった。

154頁。本筋ではないが、「挨拶」の例を書くのに、「梅草甚一」という名前を使っている。これはどうみても植草甚一のもじりだろう。1987年4月1日の文章だ。植草さんはこの8年前に亡くなっているのだが、沼野先生との関係やいかに。調べよう。

***



『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人間とウイルスの第一次世界戦争』を読みすすめる。ウィルスは一度だけでなく、第二波、第三波と繰り返し襲ってきたという。しかも第二波のほうが強力悪質だった。今回の新型コロナウイルスがそうではないという保証はどこにもない。戦いは長丁場になるかもしれない、それを考慮に入れるべきだ。

2020年4月4日土曜日

週刊ALL REVIEWS Vol.42の巻頭言担当は私でした(*^^*)

3月31日(火)に配信されたメルマガの巻頭言部分です。この後に新着書評紹介が続きます。

このメルマガは、ここで申し込みできます。
配信は次回のメルマガからです。

もちろん無料。どうぞよろしくお願いします。




***
週刊ALL REVIEWS Vol.42 (2020/03/23-2020/03/29)

沼野充義先生最終講義「チェーホフとサハリンの美しいニヴフ人――村上春樹、大江健三郎からサンギまで」をリアルタイムで視聴した。
質疑応答を含め、2時間があっという間に過ぎた。内容の濃い、楽しく切ない2時間だった。

講義の最後に、沼野充義先生が静かにおっしゃられた言葉が忘れられない。

「どんなに恐ろしい同調圧力のもとにあっても、心のなかではそっと不同意の姿勢をつらぬくこと。そして、大声を張り上げなくても良い、小さな大事なものをそっと守り続けること。それはおそらく文学に携わるわれわれ全員の仕事ではないかと思います。……これを教え子のみなさんに伝えられたら、それだけで充分です」

COVID-19との戦いに疲れ、神経がささくれているひとびとにとって、これは励ましの言葉となるだろう。直接「文学に携わ」っていなくてもよい。「小さな大事なもの」は誰でも持っている。それを守るために皆が助け合いながら「仕事」をしなければならない。いますぐに。

講義のビデオ・アーカイブは、まだ公開されている。まだの方にはぜひ観ていただきたい。オススメだ。
この「最終講義」ビデオ中継を実現した多くの関係者に、深い感謝を伝えたい。

講義の中で沼野先生が触れられた本をまとめたブログ記事はこれだ。恥ずかしながら私が書いたものである。(hiro)

2020年4月3日金曜日

コロナによる隠遁中のあれやこれや

『藤原辰史:パンデミックを生きる指針——歴史研究のアプローチ』
これは素晴らしい!

以下、関連Tweet。

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疫病の休暇中に仕事をした人といえば、ニュートン。


『ニュートン』(石原純 青空文庫)

「大学では数学や物理学を修め、一六六五年に優等で卒業し、そのまま大学に留まってなお研究を続けていました。ところがその頃のヨーロッパにはペスト病が激しく流行し、諸処(しょしょ)を襲っては恐ろしく多数の死者を出すという有様であったのです。ちょうど翌年の夏にはイギリスがその流行に襲われたので、ケンブリッジ大学も暫しばらくの間閉鎖して、学生はみんな郷里へかえることになりました。それでニュートンも故郷に戻ったのですが、その間にも自分の好きな研究は少しも怠りませんでした。そのときの研究というのが、ちょうど星の運動であったのです。」


ニュートン (岩波新書 黄版 88)は捜したが、ゴミにまぎれていてまだ出てこない。
https://www.amazon.co.jp/dp/4004200881/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_BfVHEb05MQP24

他に思い出し、捜した末、『楽しき熱帯』は見つけたが、『ニュートン』はまだ見つからず、一勝一敗。


***


アジアの作家たちは新型コロナ禍にどう向き合うのか。「文藝」夏季号で緊急特集。ノーベル文学賞有力候補にして現代中国の最重要作家・閻連科による書き下ろし手記を緊急全文公開。

***

集まれない状況での読書会の基調報告にこの方法がいいなと思ったこと:

遠隔授業試作公開版「バネでつながれた粒子の落下運動」
https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/RLtest/

おまけが載っていた。

数学:物理を学び楽しむために
https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mathbook/

***

夕方、図書館に行き、これを借りてきた。(図書館は閉館中だが、インターネットで予約した本は受取可能。)


2020年4月2日木曜日

「月刊ALL REVIEWSノンフィクション部門第16回」の短いレポート

【月刊ALL REVIEWSノンフィクション部門第16回】をYouTubeで視聴。夕食を食べながら。
■ゲスト
猪瀬 直樹さん
https://allreviews.jp/reviewer/73
■対象本
猪瀬直樹『「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ! 日本国・不安の研究』(PHP研究所)
https://allreviews.jp/isbn/4569845851

途中で取り上げられた本と映画:
『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争』(藤原書店)
https://allreviews.jp/review/4350
​『監獄の誕生』(新潮社)
​『草原の輝き』(1961年 米)←#いい映画だった!

猪瀬さんは饒舌でかつ単刀直入なしゃべりで、さすがの鹿島先生もたじたじ。
COVID-19感染症対策についても、いろいろご意見を伺い、自分が思っていたことにも近く、我が意を得たりというところ。なんらかの形で実行に移さないといけないわけではあるが。

他に、この機会に働き方の構造改革をせよとの話も聞いた。3.11の時もそう思ったが、今回こそ。

***

夕食はサバ水煮缶を使ったそぼろ丼。うまく出来た。



ついでに三時のおやつのクレープ。




***

もっと時間を遡る。今朝の我が家の桜。満開。



***

こんなときだからこそ、桜をじっくり見、食事を丁寧に作る。

2020年4月1日水曜日

ヒルティの「原著主義」と病中の神谷美恵子

『本、そして人』(神谷美恵子)の残りを読む。

25頁。「ヒルティの恩」より。

ヒルティの「原著主義」を聞きかじって……死ぬまでに読んでおくべき本……原語で……
新約聖書、プラトン、ギリシャ悲劇、マルクス・アウレリウス、ダンテ、そしてヒルティ……

英仏はOKだったが、ドイツ語、イタリア語など独習を始める……なんとかヒルティにたどり着く。軽井沢で一人で病を克服しながらの勉強!

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東洋文庫『流行性感冒』4400円だけど、一ヶ月ほど平凡社で全文(pdf)公開。https://www.heibonsha.co.jp/book/b161831.html
まえがきによると、38万8千人亡くなったという。

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図書館に行き、5冊借りてくる。もう一冊予約してあったが、10冊という貸し出し限度に引っかかったので、後日。

これらの本をためし読みしていると夜ふかししてしまう。まだ、目は本調子でないので程々にしよう。