2018年7月14日土曜日

真実に迫るには道具は二の次で、対象に何を感じるかが大切

これは、2001年の今日撮った写真。Sonyのマビカ(フロッピーディスク!に記録するカメラ)を使っていた。

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「等伯(上)」(安部龍太郎)を読み終えた。(下)もすぐ読み始めた。

 上巻の最後で、画業を支えてくれた伴侶の死に遭遇する。読んでいる側も思わず涙する。

 政治に疎い信春(等伯)に対して、パトロンとも言うべき政治家の前久(さきひさ)が言う。

 「俺ら政にたずさわる者は、信念のために嘘をつく。… だが、それでええと思とる訳やない。そやさかい常しえの真・善・美を乞い求め、心の底から打ち震わしてくれるのを待っとんのや。絵師は求道者や。この世の名利に目がくらんだらあかん。」

 等伯は真実を表す「絵」を必死に書くことにより、窮地を脱したり、信頼を得たりしながら成長する。

 先達の日本画の名作だけでなく、「モナリザ」(模写)などを見て、なんとかその境地に達しようとする。

 面白い作品だ。日経新聞に連載されたらしい。直木賞受賞。

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