ル=グウィン『文体の舵をとれ』の「はじめに」を読む。少し引用してみる。
引用1.
「対象となる読者は、語りの文体の基礎練習として考え方や論点や練習問題を求める、物語の書き手たちである。ここでは物語る文のひびき(句読点・構文・一文・動詞・形容詞)、声と視点、直接・間接の描写表現、含めるものと省くものなどを取り扱う。」
引用2.
「執筆の楽しみ、つまり言葉の一大遊戯を実際に満喫する感覚を伝えるものだ。」
引用3.
「物語という芸術の北極星――文体の働きとお話の動く流れ―」
引用4.
「少なくとも練習問題の範囲では、フィクションを書こうがノンフィクションを綴ろうが構わない――語りは語りだからだ。」
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練習問題をやってみる勉強会を企画しているが、どうもこの本と練習問題はムツカシイという意見がある。
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引用1.を読むとたしかに難しく感じるかも知れない。ただし、一連の「講義」を開始するときに講師ははりきって全体のレジュメを述べる。いってみればセールストークなので、あまり気にしないようにする。
引用2.これには完全にアグリーだ。
引用3.「北極星」は「極北」のたとえであり、目指すところはこうだが現実に我々は眼高手低で行かなければならない。
引用4.これは勉強会メンバーには良いお話で、様々な種類の文章を書くないしは読む人がいるという現実にマッチしている。
トータルとして受ける、「大変そう」という印象を払拭しないといけない。昔の企業内教育の経験からすると、受講者はかならず単一の「答え」・「解決策」を求めてくる。実は正解というものはこのような種類の学びごとには存在せず、教育効果を上げるには課題を「失敗しながら」実行することが不可欠ということを、最初にわからせなくてはならない。
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「研修」や「教育」でなない、勉強会であっても、人は正解を求めたい、そして「間違った」答えをして叱られたくないという、過去の悪しき教育の呪縛にとらわれる。それでは効果が上がらないことは、この本の中でもかなり述べられている。対面のセッションであれば、これをリーダーが言葉で説明できるが、オンラインセッションでは難しいかも知れない。工夫のしどころだ。アイスブレーキングを意識して上手に行わなくてはならないだろう。本文は自習に任せ、セッションでは最初から練習問題を実行すればいいと思っていたが、これは考え直したい。本文を読んで意見を言い合うようなセッションが必要かもしれない。『参加の手引』を書いてみたが、その内容は簡単な本の紹介オフラインセッション手順の説明だけなので、不十分だ。書き直そう。そして、そもそも本を全部読むべきだ。
参考文献 G.M. ワインバーグ『スーパーエンジニアへの道』(共立出版)
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『銀河考古学入門 ~銀河の形成と進化を辿る~』の受講登録をしてみた。講師は東北大の千葉柾司先生。11月10日開講。
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