2022年3月11日金曜日

PASSAGE by ALL REVIEWSでの一棚店主経験は、自分の読書生活を根本から変えつつある

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1874347

 

朝、わけあって、アダム・スミスの勉強をしようと小泉信三の『アダム・スミス伝』を斜め読みする。学問一筋の生涯がいさぎよい。著書は意外と少ないのだが、たぶん晩年の講義録のなかの「天文学を題材として引いた論文」をまず読みたい。日本語訳はあるのだろうか?探してみよう。

あまり意識していなかった自分の読書傾向が、より深くわかるきっかけが、PASSAGEへの出店ということらしい。アダム・スミスを初めて調べたのもPASSAGEの一棚店主のお仲間に勧めてもらったせいだ。

以下の文章をツイートしてみた。

自分の書棚に何を出品し、その「売り」文句を何にするかを考えるのはとてもオモシロイ。他の一棚店主さんのそれを見せていただくのもとてもオモシロイ。単に好きな本を並べるだけでなく、他の人(買い手を含む)に、棚の本たちがどう思われるかを知ることが、自分の読書活動に対し、良いしかも強いフィードバックとなる。こんな経験は60年以上の読書生活で初めてだし、こんな経験をしているであろう一棚店主さんが集まっているPASSAGE by ALL REVIEWSという「場」は、稀有な空間だ。ここでの、皆の経験をまとめるとすごい文化遺産になりそうだ。

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昨日のワクチン三回目接種の影響だろうか、今日はあまり元気が出ない。熱はない。肩もいたくない。こんなときこそ、読書を、と『芥川・堀・立原の文学と生』(中村真一郎)の続きを読む。

108頁。

堀さんは芥川を論ずるのに、まず「彼が僕の中に深く根を下している」という事実から出発する。

#「堀さん」の大学卒業論文はかなり辛辣だったらしい。死んだばかりの恩師なのに。

「彼は遂に彼固有の傑作を持たなかったと断言してよい」と言い切る。

118頁。

堀さんは先生の芥川さんの、その「本好き」の内容について、いつも愉しそうに思い出を語っていた。(愉しそうでない方の、深刻な思い出もあったが、それは芥川さんの雑読、速読の癖が、精神の疲労、ひいては破産に繋って行った、という、身近のひと独特の芥川論であって、それは私の二十歳の頃の、やはり雑読癖、速読癖を叱る時に、援用された回想であったことは、先回にも記した)。

#やはり本は余裕を持って読みたい。PASSAGEで本を人に勧めるときにもここに気をつけるとうまくいきそうだ。

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