2017年11月2日木曜日

「アルフレッド・コルトー」、仏国解放後の毀誉褒貶に耐える

 コルトー伝には、独占領中のできごとはほとんど書かれていない。傀儡政権下、コルトーは要職にあった。しかしこの間、コルトーのドイツ(音楽・文化)への信頼はナチスにより裏切られていた。

 当然、解放後は苦しい立場に立たされた。勾留されたこともある。しかしその間も「ショパン論」の原稿を書くことはやめなかった。

 勾留を解かれたあとも、自宅まで一時間半、ヘルニアで痛む体を引きずって歩き、自宅につくとすぐ仕事につく。1945年秋。

 復帰コンサートは1946年4月23日にトゥールで行われた。国内でのコンサートは続く。翌年一月。復帰後はじめてのパリでのコンサート。聴衆の一部からは心無いやじ。

 めげずに活動を続けるコルトーにも老いの影が忍び寄る。

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 今日からは老人夫婦二人だけの生活が始まった。やや寂しいが、区切りがついてホッとしたところもある。

 家住期がやっと完全終了し、本当の林住期が始まったのだろう。そしてこの林住期は遊行期に向けての準備時期でもある。ゆっくりじっくり進みたい。


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