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週刊ALL REVIEWS Vol.42 (2020/03/23-2020/03/29)
沼野充義先生の最終講義「チェーホフとサハリンの美しいニヴフ人――村上春樹、大江健三郎からサンギまで」をリアルタイムで視聴した。
質疑応答を含め、2時間があっという間に過ぎた。内容の濃い、楽しく切ない2時間だった。
講義の最後に、沼野充義先生が静かにおっしゃられた言葉が忘れられない。
「どんなに恐ろしい同調圧力のもとにあっても、心のなかではそっと不同意の姿勢をつらぬくこと。そして、大声を張り上げなくても良い、小さな大事なものをそっと守り続けること。それはおそらく文学に携わるわれわれ全員の仕事ではないかと思います。……これを教え子のみなさんに伝えられたら、それだけで充分です」
COVID-19との戦いに疲れ、神経がささくれているひとびとにとって、これは励ましの言葉となるだろう。直接「文学に携わ」っていなくてもよい。「小さな大事なもの」は誰でも持っている。それを守るために皆が助け合いながら「仕事」をしなければならない。いますぐに。
講義のビデオ・アーカイブは、まだ公開されている。まだの方にはぜひ観ていただきたい。オススメだ。
この「最終講義」ビデオ中継を実現した多くの関係者に、深い感謝を伝えたい。
講義の中で沼野先生が触れられた本をまとめたブログ記事はこれだ。恥ずかしながら私が書いたものである。(hiro)
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