『読書とは何か』目次(河出書房新社のページから)
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309631479/
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このうち「4.2【休読】途中で撤退する勇気と決断」まで読んだ。今日は孫が家に来てくれて、ずっとお相手をしてもらったので、読書は進まず。
昼過ぎにマンション敷地内の公園で遊んでいたら、15分ほどすぎたところで雪がちらついてきて、さすがの「風の子」も寒くなったらしく帰ろうと言い出した。保育園はここ1ヶ月休園だったが、かえってそのせいで十分甘えられて、体調は良さそうだ。
遊んでもらいながら『読書とは何か』について考えた。読書の入門書かと思って買ったのだが、よく考えると三中先生が単純な入門書を書くはずがない。第2章まではそのよう記述もあるが例として取り上げられた本は私には歯が立ちそうもない本だ。第3章以降は読書エキスパート向けの記述が続く。一読して「分かる」ような読書は、本当の読書(「狩り」)ではないとおっしゃっている。単純に読むだけではわからない本を、手を変え品を変えて読み解く(「狩り」)ときのダイナミズムを重視しておられるようだ。
したがって、今この本を読んで感じている違和感は、正しい「違和感」ということになる。途中で読むのをやめて、でも「寝ないで」考えることが必要である。この本で主に取り上げられている「専門書」はもちろんそうなのだが、文学書も同じなのではないか。一気読みした!と快感を得ているのは微笑ましいが、実は何を読み取ったのかがおぼつかないことが、少なくとも私にはよくある。好きな本は何度でも読みたくなるが、これは意識せず、本能的に本の持つ意味や価値を狩り尽くそうとしているのではないか。
それを教えるのに、『読書とは何か』というテーマで本を書かれる方のセンスが素晴らしい。ただしこの本は本屋さんや出版社泣かせの本かもしれない。皆が本の真の読み方に目覚めたら、無価値な本は売れなくなる。しかし、本当に価値のある本には適正な価格をつけて(もちろん高価だろう)も売れることになる。読者は本当に読むべき本を吟味して高くても購入して読むだろう。薄利多売とは別の世界がここに出現する。その世界への「入門書」という意味で、やはりこの本は読書の真の入門書なのだ。
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